“緊急提案” 観光資源の掘り起こしと工夫による地方創生の着眼点 

地域の昔話が聞ける語り部さん
 「観光」の概念が広がり、今は人々が移動し交流する活動全てが「ツーリズム」としてのターゲットです。また、経済社会の成熟・広域化と生活スタイルの移り変わりなどから、観光の形態が変化してきました。例えば、国際化、グローバル化による海外が身近に(簡単に海外へ出かける、外国人観光客が入り込む)、地域の高齢化社会、生涯教育の普及、地域のため貢献・ボランティア活動、インターネットの普及、地域ダイレクト情報の収集、見るだけからうんちく・ストーリー志向、地域の文化体験希望、地元のホスピタリティ(受入態勢)に敏感、与えられるものから自ら選ぶものへ、旅行代理店の激減、旧来型観光ビジネスモデルの限界、風評被害による影響(震災、新型インフルエンザ)、日本経済や地域活性化に対する有効な施策が観光以外に無いという現実、などなど。
 ツーリストたち(ツーリズムの主役)の生活行動は、経済追求一辺倒から、ゆとりや心の拠り所を求めています。これらが、健康、自然、美食(無害、健康)、懐古、知識、歴史・郷土史、田舎暮らしなど、「スローライフ」に繋がる志向が窺えます。旅行に出かける目的・対象そのものが変化して、従来の神社仏閣や名所旧跡に限られなくなっています。非日常であり、未経験なものを体験してみる、多岐多彩なテーマ、対象分野の細分化、それらに拘るモチベーションなどが強烈な動機となっているのです。
 そして、今やシニアやアラフォーたちが主役に躍り出ています。シニアたちの行動のキーワードは、例えば、健康・快適、安心安全、娯楽・知的好奇心、ファッション・美容。即ち、元気で自分なりの価値観を大切にする生活者。地域への貢献を考える。知的好奇心・探究心でテーマを持つ、次なる達成感。それに加えて、最近では若者たちだけでなく、パソコン・携帯・タブレットなど(フェイスブック・ツイッター・インスタグラム・ラインなどのSNS)が使えるシニアが増えています。このアクティブ・シニアたち(アラフォーやアラフィフ、アラシクスティ、セブンティなど)がニューツーリズムの分野の主人公になっているのです。
 また、海外からの外国人観光客も増加しています。それも、団体旅行ばっかりから個人旅行(FIT)へ、爆買いから日本文化の探訪体験志向が目立ち、最近では、大都会ばかりでなく全国の各地域にまでやって来ます。外国人観光客は地域だけの問題ではなく、日本国内全体の経済の升を拡大させる(インバウンド)ので、世界各国でその対応が重要な国策となっているほどです。

手水舎で作法どおりを体験する外国人観光客たち
1.身近にある観光資源の掘り起し〜観光資源の考え方が変る〜
 地域におかれては、世界遺産はとても、テーマパークや有名な寺院仏閣、温泉などの観光施設は全くないので観光による地域活性化は無理だ、と思い込んでおられる、というようなことはないでしょうか。
 でも、それらは、観光資源の大きいものではありますが、最近のツーリズトたちの動向を見ればそれだけではないことが顕著です。例えローカルであっても、古い歴史に裏打ちされた特徴ある日本文化・四季豊かな自然、多彩な魅力ある料理・食べ物を体験できること、それがツーリストたちの観点となっています。よって、ツーリストたちの視点から自らの地域をつぶさに見直すと、観光資源に成り得るもの、掘り起しの対象となるものが身近に存在しているのです。

明延の廃鉱山跡に鉱石運搬用インクラインが残る
(1)産業遺産・近代化遺産
 江戸時代末期から日本の近代化に貢献してきた産業や生活施設が時代の流れと老朽化によってスクラップ・アンド・ビルドの方針に基づいて撤去されていく中で、残されて廃墟となったり、または現在まで活用され続けて伝わってきたものが、産業遺産・近代化遺産です。
 これらの遺産が、現在の社会を建設してきた歴史へのノスタルジアと後世に伝承することの意義に注目されて、修復され、保存され、公開され始めている。中には 世界遺産に登録され、観光資源化の最前線に取上げられています。
 産業遺産には、 農業灌漑施設、鉱山窯業施設、製造業、商店、銀行、旅館、港湾、郵便局、鉄道、道路、産業行政教育施設、エネルギー施設。近代化遺産には、学校、役場、居宅などがあります。これらの中でも、マニアたちから広く研究され探訪されているのが、鉄道廃線であり、旧鉱山跡、軍事遺産・戦争遺産があります。

神戸市立王子動物園前の童話「夕鶴」の顕彰碑
(2)顕彰碑、歌碑、道標、歴史の舞台など
 路傍にひっそりとたたずむ石碑、地元の人以外にそのいわれを知られず、中には地元の人の間にも伝わっていないことが多い。地元の言い伝え、古老の話、古文書などを調べてみれば、何とあの事だったのかと。マイナーな存在だけに伝承の危機を心配したり、特別の関心を持って巡り歩くファンは意外と多い。
 例えば、 事故や災害モニュメント、行幸行啓碑。万葉など和歌俳句、流行歌などの歌碑。打ち捨てられかのように存在感のないが、実は貴重品である道標類。また、地域の信仰の対象となってきた野仏、道祖神、廃寺跡、小祠などなど。
 また、碑がなくても、歴史上の舞台となった地、災害跡地なども顕彰碑・説明板を用意してアッピールすればいいのです。

丹波の豪族が皇族か、雲部車塚古墳
(3)遺跡・古墳など
  古代史のファンは多い。遺跡発掘調査現地報告会などがあると、よくこれだけの人が、というくらい長蛇の列。発掘された遺跡そのものもさることながら、その背後にある歴史、由緒、伝承、うんちくに魅力を感じられるからでさる。新しく発掘されたものでなくても、同様である。古代の遺跡や古墳だけでなく、そのまま放置された古い窯跡、城跡に加えて戦国時代の砦跡なども新しい対象になってきます。
 いまからでも知られていないものを求めて、デスクワークとして、 古文書の探索、古老のヒアリング、説明資料やパンフの用意、看板など設置など考えるべきでしょう。

懐かしい昭和30年代の生活用品
(4)昭和レトロ用品
 生活スタイルの変化によって、今ではめったに見ることのなくなった昭和30年代まで使用していた生活用品、例えば、丸い茶部台、羽釜、炭火アイロン、湯たんぽ、もんぺ、初期の電気釜、洗濯機、氷冷蔵庫、白黒テレビ、真空管ラジオ、カメラ、トースター、レコード、玩具、古雑誌、古漫画本、当時の古写真、柱時計、茶箪笥、オート三輪などなど。
 このように、明治維新から大正、昭和と人々の暮らしに使ってきた道具類は、現在あまり残されていませんが、人々の自身の人生の証しと触れ合える懐かしい一瞬なのです。世代代わりの際に散逸・破棄される前に蒐集して、商店街の空き店舗などを活用した常設展示館(空き店舗など)、郷土資料館に特設コーナーを設けたり特別展を企画したり、住民や観光客向けに取扱い(買取りと販売)専門店を開設してはいかがでしょう。

溜息の出るぐらい綺麗に保存伝承されてきた家庭内の雛飾
(5)お宝自慢品
 郷土資料館ではなく、みなさん(団体も)の自宅に先祖伝来のものや蒐集した逸品を保管されていますね。他の人が見て「凄い!」と評判になるようなコレクション類、ひょっとして骨董品、文化財かも。
 いま各地で注目されているのが先祖伝来のお雛様、五月人形。街角で観光客に見せる工夫をされて人気になっています。ほか、陶磁器、切手、古銭、テレホンカード、初版本、古い書籍や漫画本、古絵葉書、古写真、玩具、絵画、彫刻、掛け軸ななど。みなさんで持ち寄って、一大コレクション展でもいかがでしょう。明治、大正、昭和時代(レトロ)のものは、相続の段階で散逸することが多く、郷土資料館などの受贈、収集、保管、整理を手がけるリーダーシップが期待されます。

B1グルメとして全国に有名になった加古川の「かつめし」
(6)ご当地グルメ
 地元に昔から伝わっている郷土料理に加えて、地元の人が好んで食している独特の一品など、または新たに工夫を加えて新メニューを創作したもの。スイーツ類を含めて、地元の店の人気メニュー、家庭伝来の料理、主婦得意のメニューなども。最近ではB級グルメと称して、多くの店で独特の共通メニューを提供するスタイルが広がっています。
 食材の地産地消も特色のひとつとして、専門家のアドバイスも入れて料理メニューの開発を進めることもいいでしょう。地域内でグルメ大会を開催したり、共通メニュー化による地域ブランド形成、広く観光客等にも向けたレシピ紹介など、考えられます。

地域の偉人の功績を顕彰する碑には、多くのストーリーがある
(7)地域ふるさと偉人伝
  地域の恩人や、ふるさとに貢献した人、ふるさとから出て大成した人。政治家、産業人、社会活動家、芸能人、スポーツ選手、マスコミ等で名前が知られた人、また、無名でも隠れた業績のある人たちを紹介します。その方たちや業績を示す顕彰碑、伝記本、著作や作品、写真、映像などが対象(観光資源)になります。
 社会教育、生涯教育の場として、偉人たちの功績を後世に広く継承し顕彰するために、パネル、似顔絵イラスト、ジオラマ作成を用意して、郷土資料館や偉人の地元にふるさと偉人館(コーナー)の開設など、いかがでしょう。

神戸メリケンパークにある映画発祥の地碑
(8)映画・テレビなどの舞台
 いま若者たちを中心に、最近鑑賞した映画、テレビ、小説、漫画の舞台やロケ地、新聞、雑誌等マスメディアで紹介されたところなど、いままで何の特徴もなかったところを観光の目的地に選ばれています。
  ファンやマニアにとって「聖地巡礼」と称して、撮影現場や舞台、作家最寄りの地をめぐって、主人公たちと同じスタンスを共有したいと、人気急上昇の観光地になっています。
 映画・テレビのドラマの地に採択されるように住民運動が盛んになっています。このマスメfヒア効果を期待して、地元の自治体が 「フィルム・オフィス」、映画やテレビなどの取材を勧誘し支援する組織を立ち上げてるところが増えてきました。地元としても、地域内での撮影に適した場所・アングルなどをデータ化し、撮影のための利用許可申請先とのネットワーク化を計り、誘致活動に努める必要があります。
2.観光資源活用への仕掛けづくり

滅多に入れない先端技術研究所・大型放射光施設「スプリング8」のリング内
(1)実体験・豪華旅・レアものを求める
 普段、滅多に見られない施設や催し、珍しい異文化・伝統文化などを実際に体験してみることなどはツーリストたちの興味を刺激します。茶道・華道・座禅はもとより、お祭り神輿や山車参加、武士・忍者装束での武芸など、身近な食品や 珍製品や先端機器を製造する工場などの見学が人気ですし、文化財の特別公開、舞台の裏側見学、自衛隊の基地や演習場、ダムなどの超大型公共施設なども多くの人たちが希望しています。また、珍しいお座敷郷土料理列車や、高額であるが超豪華な列車旅、豪華客船クルーズなども注目されます。
 見学者の安全や対象物の保存管理上の問題から、いわゆる「レア」物になっている場合が多く、当該施設の管理者の理解と協力が、また、見学する方にもそのために気をつけるべきマナーやエチケットが必要です。到着するまでの観光バス車内での飲酒による失態が大きい問題です。レア物公開には、それなりの受け入れ体制や見学する姿勢などのシステムづくりが不可欠なのです。

地域の古民家をゲストハウスとして都会の人たちの利用促進をはかる
(2)田舎暮らし・下町暮らしのすすめ
 いま都会の人たちの間で、田舎暮らしや下町暮らしが注目されています。日常のストレス社会から逃れてスローライフな生活スタイルへの転換という夢の追求が始まっているのです。そのためにも、受け入れ体制を整備することが望まれます。
  民家や商家・農家(古民家)、空き家を民泊や農泊に、またホームステイを活用して、都会の人たちに自然や田舎暮らしや下町情緒あふれる地域での生活体験してもらいます。一時的なところから、短期、長期、定住へと地域や役所が協力して進めたい。重要なことは、外部者としての宿泊者の立場だけではなく、地域の一員として応対(仲間に入れる)すること、例えば街角一斉清掃や神社清掃のお世話、祭など地区の寄合いへの参加も期待したいところです。自然環境のいい子供たちの山村留学、下町情緒豊かな地域などで、古民家や古商家、古農家、再整備し直した廃校を使った芸術家村やIT技術者ハウス、ミュージシャンキャンプなどもいいですね。行く行くは、定住促進へ繋がることを期待したい。

 携帯電話で手軽に情報収集できる
(3)SNSなどのメディア活用
 観光地の情報提供・PR、情報収集などのツールとして、多国言語にも対応した分かりやすいホームページは勿論のこと、若い人たちを中心としてシニア層にも注目を集めて、まさにツーリズムへの実体験を紹介や動機付けから目的地選定が行われているSNS(ソーシャル・システム・ネットワークなど)の重要性が、近年増しています。
このメディアを活用して地域の情報提供を考えましょう。ツーリストの視点に立って選ばれる(写真映えなど)アイテムとしての紹介、有名ブロガーたちの起用するPRへの仕掛け、ホームページの充実などが求められています。しかし、最近の情報過多とも言える状況になって、SNSなどの情報発信元の選別が行われています。要するに、自分の知っている仲間たちか信頼の置ける発信者かが問われ始めているのです。「広く一般に」が原則ではありますが、これらのことを念頭において、どのルートを活用するのか、効率的に、コストパフォーマンス的に戦略を考える時期に来ています。

旧西国街道は多くのウォーカー・グループが辿っている
(4)旧街道など・古代の道など
 最近の健康志向で、ウォーキングが大変人気です。ただ歩くだけでなく、郷土の歴史に注目して、昔の旅のイメージも取り込み、「東海道中膝栗毛」や「摂津名所図絵」などに表された旧街道を辿る(街道踏破)ことが目標になっています。街道ウォークのホームページやブログも賑わっています。
 これらのウォーカーたちを見過ごす訳にはゆきません。街道の歴史的比定から始めて、沿線の観光施設の整理整頓、ウォーカー利便施設、例えば昔の御茶屋のような休憩施設や街道案内所、旅籠のような簡易宿泊施設の整備、沿線の観光資源や利便施設や医療機関、交通などのウォーキングガイド作成など。継続的参入者のためにも、地元産品プレゼントなど街道踏破への特典開発、街道沿線地域のネットワーク、同行案内できるボランティアガイドさんの用意、街道ポイント地点への交通アクセスを考えておくのも必要です。

ご当地検定には、地元だけで無く近隣や全国からもの郷土ファンが詰め掛けることも

(5)地域テーマの検定試験
 郷土の歴史や文化、産業などに関する知識や技量を測り、一定レベル以上に達した方の合格を評定する、いわゆる「ご当地検定」が全国に広がっています。検定を通じての地域の情報提供や、ファンづくり、突詰めては専門的な観光ガイドの発掘・養成が目指しているところ。地域PRを主眼に観光客も参加できるイベント的な試験か、郷土ファン向けの専門的な高度な知識を問う試験か、判断を要するところです。受験者や特に合格者への特典の用意、街を挙げての歓待プログラムなど地域の協力が必要です。
 ただ、出題範囲に限界があり、また問題作成から採点、専門の監修者、試験会場対策など人手や手間が意外にかかるなど、3年目以降の継続が難しいのは事実。ずっと継続して実施するのは大都市でなければ、地域のPRに重点を置いた方式が無難。


小さい神社でも伝統行事「流鏑馬」には多くの観客が集まる
(6)イベント・大会・祭りの開催
 昔から一時的に多くの観客・観光客を動員してきたのは、博覧会や展示会、古来の伝統的祭事です。全国的・世界的にも有名なものでなくとも、地域が協同して実行するイベントや大会、音楽会、祭りにも特色があって、例年、注目度が上り、観光客が増加するところが増えてきました。地域の特産品をテーマにしたグルメや隠れた観光資源のアッピールなどのイベントや展示会、恒例になる音楽祭やライブミュージック、小さい規模であるが地元寺社仏閣の由緒ある伝統文化行事・祭事を核として地域挙げてのお祭り、地域に伝わる歴史の再現行事、国際会議や全国を巡回している大会の誘致開催・附属ツアー計画、大型観光船の寄港誘致などなど、大いに集客が期待できるものに積極的に取り組まれることが望まれます。また、混雑緩和の工夫や大観客たちの安全対策も重要になってきます。
3.受入体制の整備、街角等の環境整備など

お互い魅力ある観光地の情報交換して次の行き先を決めている外国人観光客たち
(1)インバウンド、目から鱗の外国人観光客対策
 外国人観光客を迎えるに当って、洋式に固執する必要はありません。みんな日本の文化、生活、自然、食べ物などに注目しています。また、旅行業者が引率する団体旅行も大切ですが、昨今多く目立つようになってきたのは、自由に動き回る個人観光客(FIT)の多さです。彼らたちは、既存の旅行ガイドブックに囚われず、インターネットを駆使して口コミ情報によって旅行や目的地の動機付けが行われ、LCC(低コスト航空便)に乗り、タブレットを持参して身軽に各地域を巡っています。
 多国語のパンフや看板の用意、外国語での情報提供などは、基本中の基本ですが、彼らが望むスタイル、方向で迎えることが肝心です。日本文化、地元文化で応対(お茶、お花、和食、居酒屋、市場、100円ショップ、公衆浴場、和風旅館)すること、外国語対応の観光ボランティアガイドさんを育成確保しておくことも勿論ですが、いま望まれているのは、情報収集発信用のタブレットへの対応で、無料WiFiの普及を計り、利便性を高めてあげることや、低料金で長期滞在が可能になる外国人向け木賃宿も、外国人観光客の動員に繋がるものです。急増が見込まれるイスラム圏のツーリストたちに対しても、お祈りの場・時間への配慮・確保や、HARAL(ハラル・メニュー)料理の普及対応なども。また、国策としての観光ビザの規制緩和の効果が絶大でもあり、その動向その国の情勢・観光事情などにいち早く合わせて行きたい。また、日本の習慣に不慣れなインバウンド客たちへの安全対策やマナー啓蒙も重要となっている。
※外国人個人観光客(FIT)が日本の何に注目してやって来るのか(最近の動向)。
(1)日本文化・生活を体験。
サムライ体験、座禅、着物、コスプレ、銭湯(温泉も)、茶道、書道、華道、四国八十八か所めぐり、田舎暮らし体験(古民家宿泊)、農作業体験、郷土の祭りに参加体験、神社仏閣の参拝御朱印コレクション、新幹線の風圧、など。
(2)日本の食べ物、飲み物、買い物。
無形文化遺産「和食」、日本酒・日本ワイン、駅弁、抹茶製など和菓子類、居酒屋、屋形船会食、和風デザイン物、動物カフェ、下町商店街・市場、100円ショップ、など。
(3)行きたい見たい乗りたい泊まりたい。
高野山、富士山、日本の有名な祭り、大相撲、映画・漫画・アニメの聖地巡礼、テレビCM登場所、先端技術工場見学、 豪華寝台特急ツアー、和風庭園、古民家、ゲストハウス、外国人向け木賃宿、民泊・農泊、など。
(4)余り行きたくない。
混みすぎて体験するのに時間がかかるもの、滞在拠点から超遠距離移動、外国人ばっかり居る、など。

街並みを情緒溢れるものに保存・整備することも観光資源開発
(2)街並み案内看板、環境清掃など
 異なった街並み・環境に身を置くという、非日常を五感で楽しむ。こんな街を歩いてみたい、住んでみたい、これが実は観光の基本でもあります。
 情緒溢れる街並みの保存、補修、修景は勿論、案内看板や地図の用意、ガイダンスにQRコードの活用、見苦しいものの整理、隠蔽。ゴミ一つ落ちていない、そして清潔な街へ環境清掃、街の雰囲気づくりに心がけます。そのためにも、地域のまちづくり協定・建築協定、広告看板の規制なども必要になってくるでしょうし、街のみなさんの日頃からの協力が望まれます。街中での提灯街灯やクリスマス・正月飾りなどの電飾イルミネーション、空き家や空きスペース活用した散策者サービス施設(現地案内所、休憩所、御茶屋さん)も考えてみてはいかがでしょう。

観光ボランティアガイドさんの解説に知識欲が刺激される
(3)ボランティアガイドさん・語り部さんの養成
 各地の観光地で観光ボランティアガイドさんや語り部さんが増えてきました。観光資源の解説だけでなく、民話や由緒の解説、観光地めぐりのサポート、おもてなしをして、ツーリストたちが好印象を持つ地域のホスピタリティ(受け入れの姿勢)を代表する貴重な存在なのです。ひいては、地域の人々の憧れの的存在、観光カリスマとなり、最終的にはガイドさん・語り部さん自身が貴重な観光資源となっています。経験や知識の豊富な人当たりの良い元気なシルバー層の活躍の場にもなります。
 ガイドさん・語り部さんのための養成講座、登録、スキルアップ研修など、役所、団体の理解と支援は不可欠で、ガイドさんを通じてツーリストたちの意向を汲み上げ、観光振興策やビジネスモデル、地域づくりに生かすシステムが望まれます。

レンタサイクルは若者ツーリストたちへの必需品
(4)まち歩きのツール
 観光地で見たいものが一塊になっていることは珍しい。点在しているものなんです。ツーリストたちが巡るためには移動手段が必要となります。また、回遊する途中の街並み、街の雰囲気も楽しみたいものです。ツーリストたち移動の利便性、簡便性のために、循環バスやレンタサイクルなど用意しましょう。馬車や人力車タクシーも面白い。観光タクシーのテーマ・メニューによる活用(酒造めぐり、スイーツめぐり)なども人気を呼びます。目的をもった歩く人のための「まち角歩き」のコース紹介や歩き人専用のガイドマップ、廻った先での歓待メニューとして地酒の特別メニュー提供や特産品の試食なども用意しておきたいものです。

地域のアイドル「ゆるキャラ」たちもお出迎え
(5)地域の人々の意識向上
 観光は重要な産業です。外部からプラス要因として、地域経済の拡大に貢献します。観光資源は地域の宝であり、開発や工夫して創り上げ、保存・整備しなければなりません。また、ツーリストたちが満足してリピーターとなり、周囲の人のみならずネットで広く口コミ・推薦してもらえるようになりたいものです。
 その鍵は、街の環境整備であり、地域の人々がホスピタリティ(おもてなし)のこころをもって、ツーリストたちを迎えることが重要です。また、初めて訪れてくるツーリストたちに期待したいマナーや相談窓口なども情報提供できる小冊子の事前準備なども考えておきたいものです。地域のお祭りや行事への招き入れなどから始まって、街の人々との触れ合い・交流が観光の深みを味わえることに繋がっていることを念頭に置いてください。
 こうして見ると、観光資源は有名なものは無くとも、身近なところに存在するか、工夫して創り出すかして、地域の誇れるものに育て上げ、機会を用意して、ツーリストたちにも体験しに来ていただくのです。今一度、地域内を見回して、これらのチェックポイントを再点検・再認証していただきたい。地域の方々の理解と郷土愛、来客おもてなしの心構えがあれば、ツーリストたちの共感を得ることになります。みなさんの取り組みに期待します。
(2015年1月〜、2017年9月)

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