伊賀の「上野天神祭」(ユネスコ無形文化遺産)(三重県伊賀市)
 (地域の活性化、まちづくり・まちおこしへの取組み 06)
 上野天神祭は、伊賀上野市の菅原神社(上野天神宮)の秋季例大祭で、印、ダンジリ、鬼行列などが町内を巡行する行事である。神輿の巡幸に関わる神輿町のほか、印とダンジリを出すダンジリ町が9町、鬼行列を出す鬼町が4町あり、ダンジリ町と鬼町は合わせて祭り町と称する。「宵山」の23日に印やダンジリを曳き出して飾りをつけ、夜には提灯や雪洞も点灯する。24日は足揃の儀で、ダンジリが各町内を巡行し、鬼行列も三之町筋を練る。25日は本祭で、神輿の渡御に続いて、鬼行列、ダンジリ、印が巡行する。 祭りの日程は、2017年からは10月25日までの直近の日曜日の前3日間に変更されて、上野天神祭の例大祭は従来どおり10月25日に執り行われる。
 平成14年(2002年)に国の重要無形民俗文化財に指定されました。 また、平成28年(2016年)日に、全国33ヶ所の「山・鉾・屋台行事」の一つとして、ユネスコ無形文化遺産に登録された。
 上野天神祭は、 天正13年(1585年)筒井定次が伊賀の領主となり菅原神社(別名「上野天満宮」)を祀ったことに起源を発し、慶長13年(1608年)には藤堂高虎が天満宮の新改築、寄進等に力を注いだ。その後しばらく中断したが復活し、藤堂高久が祭礼を城内假御殿より見物、田楽、能、狂言等が行われ、三之町の鬼行列も始められたとされる。京都の祇園祭の山鉾に似た、だんじり(楼車)の巡行と、鬼行列が有名であり、神輿の渡御を中心とする祭りに仮装の行列や作り物が加わり、現在のような鬼行列や印、だんじりで賑わう形態を整えるようになったものである。印は依代と考えられるもので、それを囃すだんじり、そして奴振りを伴った鬼行列が続く、類例の少ない貴重な行事である。
 本祭りのだんじりの順番はくじで決められる。 鬼行列、神輿、だんじりの参加はそれぞれを所有している町民が基本的に供奉する。
〇 神輿行列
神輿行列は2基の神輿に菅青会(青年会)の神輿、子ども神輿、ギャル神輿が加わります。
〇 鬼行列
鬼行列は相生町、紺屋町、三之西町の三町からなる三鬼会の出し物「役行者列」と、徳居町が出す「鎮西八郎為朝列」の二つからなっています。それぞれの行列とも「しるし」で始まり「太鼓台」が最後になっています。
〇 だんじり行列
だんじり行列は毎年9月9日に菅原神社(上野天神宮)で行う「くじ取式」にて巡行の順番が決まります。それぞれの町の「だんじり」には各町の「しるし」が先導します。
 訪れた平成30年(2018年)10月の「上野天神祭」は、19日(金)宵山、だんじり点灯、20日(土)は足揃えの儀・宵山で鬼行列、だんじり巡行、点灯巡行、21日(日)は神幸祭(本祭り)で御輿巡行、鬼行列、だんじり巡行。そして24日(水)に宵宮祭、25日(木)が例大祭でした。
●伊賀上野城下町も巡る
(2020年5月)
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