「土木技師加藤清正と産業遺産」による集客交流事業の創出
 (熊本県菊池郡菊陽町)
 (地域の活性化、まちづくり・まちおこしへの取組み 16)

「土木技師加藤清正と産業遺産」による集客交流事業の創出
(熊本県菊池郡菊陽町)

郷土史探訪ツーリズム研究所(代表)参加応援プロジェクト
『 “土木技師 加藤清正と産業遺産”による集客交流事業の創出』
熊本県菊池郡菊陽町(鼻繰り井出集客ビジネス創出協議会=菊陽町商工会)
(経済産業省2010年度「地域資源∞全国展開プロジェクト」採択事業)
 熊本市の近郊農村だった熊本菊池郡菊陽町は、熊本空港をお膝元に、企業誘致と新興住宅地域を抱える「職住近接」の「暮らしやすいまち」を目指してきた。人口の流入・増加に併せて、新旧住民の交流促進などに心掛けてきた。
 現在の経済情勢においては、この旧来の地域内での集客交流だけでは不十分で、一層の振興に新たな取組みが望まれてきた。
 平成22年度において、内閣府の助成金「地域資源∞全国展開プロジェクト」に、地元の偉人「加藤清正」公の遺構、地産品「人参」を活用して新たな集客交流事業を提案申請し、採択されました。その概要を紹介します。
活用する地域資源
 熊本城を築城した戦国時代の武将、加藤清正は水と戦った武将でもある加藤清正を土木技師としてとらえ、これまで関心の少なかった水路に溜まる土砂を取り除くシステム「鼻ぐり井出」や(鼻ぐりとは、牛の鼻輪を通す穴のこと。水路内から見ると良く似ている)、屋久島から取り寄せ植えたと言われる杉並木などの産業遺産を、「土木技師加藤清正と産業遺産」というテーマで地域資源と位置付け、実質的な交流客が少ない菊陽町を目的地とする集客の仕組みを構築する。
 一方、人参など菊陽町の農林水産物を町内の商工業者により、土産品や食事として商品開発し、提供する。言わば、菊陽町町外からの外貨を獲得する仕組みづくりを構築する。

加藤清正が1608年に築造した「鼻ぐり井出」は、火山灰土壌の堆積を防ぐ現在にも通じる土木技術による。

同左。菊陽町馬場楠から熊本市大江渡鹿の約13qのかんがい用水路。

同左。「鼻ぐり」の工夫は特種で、全国的にも少なく、現代でも土木工学の調査研究対象となっています。

「鼻ぐり井出」が間近に観察できる「鼻ぐり井出公園」の加藤清正の碑
地域の目標及び基本的な方向性
 商工会内につくる協議会が中心となり、加藤清正が残した治水事業遺産「鼻ぐり井出」などを地域資源とした集客交流の仕組みづくりを展開する。近隣の山鹿・菊池温泉と連携し、熊本城(加藤清正築城)など近隣の加藤清正の遺産を含め「土木技師加藤清正と産業遺産」をテーマに、土木学会をはじめ土木関連企業をターゲットに、社内・研修旅行を商品化し全国へ発信する。
 地域への経済効果の高い集客交流事業を目的に、情報提供、手配など行う「着地型エージェント」(エリア・ツーリズム・エージェント)機能を町内に育成するとともに、人参など(馬肉も)菊陽町の特産品を材料に、広域からの交流客をターゲットした土産品、料理メニューを開発する。開発にあたっては、地域の商工業者と連携する。
 また、ボランティアガイドなど、地域住民の積極的な参加を促す事業とする。

地元特産の「人参」は、国の指定産地になっている。

地元の交流の場、さんさん公園内の「菊陽温泉さんふれあ」

同左内にある人気の農林水産品・加工品の直売所

新しい交流客(観光客)を迎える観光ボランティアガイドさんも活躍
本事業の進め方
1.協議会によるロードマップの作成(専門の事業プロデューサーによる)
2.各部門の専門家と委員、参画企業で構成するタスクフォースにより事業を推進する。
  @マーケティングチーム
    キックオフミーティング、町内及び近隣地区の産業遺産調査、着地型エージェントの研究、
    ニーズ調査とプロットタイプの作成
  A商品開発&地域住民参画プログラムチーム
    キックオフミーティング、特産品開発、観光ボランティアガイドの育成とコミュニティビジネス化
3.先進地研修の実施
4.実証実験
5.報告会
この事業の新規性や独自性
@ 歴史上の人物、武将加藤清正を水と戦った土木技師と位置付け、菊陽町に残る「鼻ぐり井出」などの産業遺産とともに、地域資源としてとらえることにより、新たな集客交流事業を創出する。 韓国からの訪日旅行におけるハードルの一つとも言われる加藤清正のイメージを払拭する。
A ターゲットを絞り込むことにより、SIT(Special Interest Tour)として、商品価値を高めるとともに、マニアックな産業遺産を、歴史上の人物とセットにすることで、一般商品としての魅力も高める。
B 必要に応じ、集客交流事業に精通した専門家(ツーリズム研究会会員)を事業ナビゲーターとして投入し、品質の高い事業へ誘導する。
C 商工業者、農家、地域住民が連携することにより、地域の課題を企業のスキルで解決し、その利益を地域へ還元するコミュニティビジネス創造の環境が整備される。
D プロデューサー機能(品質管理、日程管理、リスクマネージメント、予算管理)は、地域開発で実績のある専門家によって代行される。ただし予算管理については菊陽町商工会自身により行う。 このことにより、事業全体が総合的に管理され、同じクォリティの事業として遂行される。                                     (2011年7月)

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