兵庫ご当地グルメとB-1グランプリ
 地域の活性化、まちづくり・まちおこしへの取組み 18)
兵庫ご当地グルメとB-1グランプリ 
 最近、「ご当地グルメ」を地域活性化・まちおこしに活用しようという動きが活発です。ご当地グルメが定着して人気が広まると、多くの人たちがやって来ます。その動向をマスメディアがごぞって注目株として取上げ、ますます拍車がかかってきました。その経済効果は大きいものがあり、既存の観光施設が無くても賑わいを期待できる「ツーリズム資源」と変貌するからです。
 昔からの簡単な料理のほか、新たな工夫を加えてのグルメ開発も行われ、例えば地元の美味しいご飯に新鮮な栄養たっぷりの生卵を使った「卵掛けご飯」でも、泊りがけでやって来て早朝から長蛇の列が並ぶという処もあるぐらいです。極めて庶民的な志向であるが故に、ファンならずとも、一度は食べてみたいとのモチベーションは、老若男女を問わず多くの人々をツーリストとして駆り出すのです。
 兵庫県内でも、「ご当地グルメ」を表看板に出したまちおこしが各地で行われたり、地域の集まり・イベントに欠かせないものになっています。また、飲食店街でもご当地グルメを扱う店が増えてきました。ご当地グルメが集中している播磨地域では、姫路で春に「ひめじぐるめらんど」、秋に「姫路食博」が播磨のみならず県下広く集まって開催され、兵庫県全体レベルでも毎年、各地で開催される「ふれあいの祭典」に「ひょうごうまいもん市・ご当地グルメサミット」が催されています。
(左写真:姫路食文化協会発行の『兵庫ご当地グルメ』、ひょうごの食材とご当地クルメを紹介)
●ひょうごの『ご当地グルメ』
兵庫のご当地グルメとしてよく取上げられている、「姫路おでん」「高砂にくてん」「あかし玉子焼」「佐用ホルモンうどん」、そして「加古川のかつめし」などがあります。
  詳しくは、次の郷土史にかかる参考データ集『ひょうご“ご当地グルメ”』をご覧ください。
 ※下の写真をクリックして下さい。

ごこく豊穣
とっておき兵庫五国のグルメ&旅
●「“B-1グランプリ” in 明石」、2019年11月に明石で開催

(1) 第11回「B1グランプリ」が、2019年11月の土日2日間、明石市で開催されました。全国から55団体が自慢の料理をもって参加し、31万4千人が訪れました。明石市のお城エリア(明石公園)に6会場と海峡エリア(市役所周辺)3会場で開催。「時」や「歴史」、「海」などの地元明石の視力を発信するアイデアを盛り込み、明石市市制100年記念事業として実施。
(2)地元兵庫県からは、3年前のB1グランプリで優勝した明石の「玉子焼」と、今年こそと望む加古川の「かつめし」が出展。特に、加古川かつめしの会のパフォーマンスに、ブースも賑わっていました。 恒例の、食べ終わった割り箸で投票の結果、1位ゴールドグランプリには三重県津市の「津ぎょうざ小学校」、2位シルバーグランプリには北海道釧路市の「釧路ザンタレなんまら盛り揚げ隊」、3位ブロンズグランプリには静岡県袋井市の「袋井宿たまごふわふわほっと隊」が受賞。兵庫県加古川市の「うまいでぇ!加古川かつめしの会」は惜しくも6位でした。
●「ニッポン全国鍋グランプリ2019」に、神河町のすき焼きが、鍋日本一
 ご当地鍋の日本一を決める大会が2019年1月に姫路市で開催され、神河町のグリーンエコー笠形(野外活動施設)出品の「和牛の柚子とろろすき焼き」がグランプリに輝いた。28都道府県60団体が出場した。
 また、香美町の「香住ベニガニのかにすき」が3位に入った。(2019年2月)
●「明石『玉子焼』 B-1グランプリスペシャル2016優勝」
 最近のB1グランプリは、単に料理の魅力だけでなく、来場者が味とともに、「行きたいまち、住みたいまち、応援したいまち」を地域あげてのPRやおもてなしの方法などを比べて評価して決められます。全国56地域が参加して、東京で開かれた2016年の「B-1グランプリスペシャル」で、兵庫県の明石市役所や市民が進めた「あかし玉子焼ひろめ隊」が優勝(ゴールドグランプリ)しました。タコを彷彿させる衣装をまとい、「パパたこ」キャラクターのサンバイザーでブースを装飾し、焼きたての明石焼(玉子焼)やパフォーマンス、「明石の証(あかし)」ポーズやシール作戦で強烈にPR。2015年6位、2014年6位だった悔しさを爆発させました。おめでとうございます。(2016年11月)
 また、2017年の西日本大会が、同市の明石公園で開催された。(2017年11月)
●「B級ご当地グルメの祭典 B-1グランプリ in 姫路 2011」
 各地で、安くて旨い、地元の人々に親しまれ愛されている名物料理・郷土料理が人気を得ております。これらを「B級ご当地グルメ」として、日本一を決めようという大会が年1回開催されます。今年の2011年は、姫路で開催されました。「B級ご当地グルメの祭典 B-1グランプリ in 姫路 2011」です。
 「B級ご当地グルメの祭典 B-1グランプリ」は、B級ご当地グルメでまちおこしに取り組み、B-1グランプリに参加しようという団体で結成したB級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会(社団法人)(通称:愛Bリーグ)が、毎年1回、開催地の実行委員会と主催します。
 グランプリの決定は次のように決められています。
@参加できるのは、この愛Bリーグの加盟団体(新加盟には、一定の実績と取組み姿勢などが勘案協議される)であること。
@来場者が複数の出展団体の料理(有料)を食べて、使用後の1膳2本のお箸を2票として、1人につき2団体まで投票します。
A開催地の団体と、過去のゴールドグランプリ(1位)を受賞した団体は、投票の対象外となっています。
B競技終了後に、お箸の目方の重さで順位が決まります。
 2011年11月12日(土)と13日(日)の2日間、姫路のお城周辺で開催された第6回は、優勝は「ひるぜん焼そば」(岡山県)、準優勝は「津山ホルモンうどん」(岡山県)、3位「八戸せんべい汁」(青森県)、そして兵庫県内からは、「あかし玉子焼」(兵庫県)が10位に入賞しました。

 B-1グランプリで優秀な成績を収めた料理は、全国的に知名度が上がり、地元に大きな経済効果が生まれています。ゴールドグランプリを得た処は、観光客が増加、料理や関連商品の売り上げ増加、食材料の栽培増、生産地や販売店の賑わいに併せ、街全体の活気が生まれています。
 その経済効果は、いまや料理の地元に毎年50億円以上、B-1グランプリ大会開催地だけでも50億円以上はあると言われています。
 それだけに、大会では、地元の料理だけでなくわが街の売り込みが加熱気味となり、公正な競技とスムーズな運営のために、主催の愛Bリーグは、華美装飾の自粛や迷惑防止、配布物制限などのガイドラインをまとめて、その遵守を求めています。


「B-1グランプリ」のステージ。各地のパフォーマンスも。

出展ブーズの前には長蛇の列が続く。人気のは1時間待ちも出る。

同時開催の「姫路食博」のステージ。グランプリ参加資格のない県内グルメも出店。

開催地のB級グルメ「姫路おでん」。残念ながら開催地のものは受賞投票の対象外。

グランプリで第10位に入賞した「あかし玉子焼」

グランプリ準優勝の
「津山ホルモンうどん」

料理を食べたお箸で投票するブース。目方の重さで量る。

会場に広いテントを張り、お食事コーナーを用意。とても足りないので、附近の芝生や道路脇にも。

多くのテレビクルーが大勢会場内を取材していた。

神戸長田のB級グルメ
「そばめし」

神戸新長田の名物グルメ
「ぼっかけ」

お土産物コーナーで姫路や兵庫県内の物産が多種、売られて大人気。
 B-1グランプリは年1回のイベントで一過的ではありますが、その効果を永続させたいものです。大会のお陰で、「食」特に庶民的なB級ご当地グルメを活用した地域活性化・まちおこしが注目されて、各地での取り組みの輪が広がっています。食材の地産地消、新郷土料理や関連商品の開発、まちおこしイベント参加促進、B級ご当地グルメが食べられる取扱い店の増加や拠点(横丁?)の常設、その他、お客さんの受け入れ体制など、街を挙げた応援が必要になってきます。これには、地元の行政や関係団体の協力、リーダーシップが望まれます。(2011年11月)
B-1グランプリ大会の波及効果は市内の一般商店へも。

※クリックして下さい。
「地域の活性化・まちづくりまちおこし」メニュー へ戻ります。

※クリックして下さい。
「神戸・兵庫の郷土史Web研究館/郷土史探訪ツーリズム研究所」のトップ・メニューへ戻ります。

当研究館のホームページ内で提供しているテキスト、資史料、写真、グラフィックス、データ等の無断使用を禁じます。