世紀の体験「金環日食」観測クルーズ
 地域の活性化、まちづくり・まちおこしへの取組み 19)
世紀の体験「金環日食」観測クルーズ
 一生に一度有るか無いかの金環日食が地元の神戸で体験することができました。日本国中ほとんどの人が2012年5月21日(月)の早朝、東の空を上って行く太陽を眺めたことでしょう。 当日は、神戸市立青少年科学館や明石市立天文科学館など各地の天文系の科学館、県立御影高校や市立科学技術高校など小学校・中学校・高校で観測会が催され、より絶好の観測地点を求めて和歌山方面へ泊りがけツアーなど、色々な催し、イベント、企画で賑わいました。
  アマチュア天文家をはじめ多くの人たちが、近くの観測会・企画に合流したり、通勤途上や自宅周辺でも、また、強い日光を遮る「日食グラス」が手に入らなかった方々テレビやスマホでご覧になられたことでしょう。
 兵庫県南東部に限られていた「金環日食」を求めて、当日は、神戸港沖合いの洋上から観測しようという港湾遊覧のコンチェルト号で特別クルーズが企画されました。販売開始食後にキャンセル待ちになるなど、大人気のクルーズ企画だったのですが、幸運にも乗船することができました。
 当日、21日の早朝からハーバーランドの窓口に集合。みなさん、これから起る天変への期待に顔を輝かせていました。しました。曇り空で心配させられましたが、6時30分頃のかけ始めあたりから雲が切れて来るなかを、コンチェルト号は静かに6時30分にモザイクを出航。しばらくするうちに、ほぼ青空という幸運にも恵まれてきました。右上部分から徐々に欠け始めていた太陽は、黄金のリングが延びて行き、ほぼ繋がる寸前のベイリービーズが認められたそこそこに、7時30分、遂に金環日食をこの目にすることができました。
 太陽が全部隠れる皆既日食と違って金環日食でしたので、暗がりと言うよりも夕方のような薄暗さのなか、勢いを増した強い風がザワザワと吹きつけ、海原は青ではなく黒色に近く、波頭はさながら銀の煌きを見せていました。
 船上には、家族連れやカップル、通勤前の若者たち、この世の見納めと張り切るシルバーたち(?)の150人の乗客たちに加えて、船長さんやレストランのシェフさんも、大勢のテレビクルー・ラジオスタッフも、その瞬間は拍手がわき上がり、大盛り上がりでした。

(出航直後、雲が切れて朝日が顔を出し始める)

(船上デッキで、太陽の欠けて行くのを観察)

(金環日食の瞬間は、全員総立ちで歓声が あがる)

(金環日食の時の海の様子、黒い海に銀色の波)

(出航直後の半分欠けた太陽)

(どんどん進む日食。少し手ぶれ写真)

(黄金のリングがグングンと延びて繋がろうとしている。もうすぐ、ベイリービーズ)

(やった。金環日食だ。日食中央線上ではないので、ほんの少し偏っている)

 そもそも、神戸・兵庫で金環日食が見られたのは、282年前の1730年江戸時代の享保15年6月1日の午後に今回と良く似たルートでした。次に神戸・兵庫で金環日食が見られるのは、83年後の2095年11月27日の午前だそうです。
 また、日本国内で見られる日食は、2016年3月9日の昼頃、皆既日食の部分食が全国で、2019年1月6日と12月26日に部分食、2020年6月21日の全国で部分食、2023年4月20日は僅かに欠ける程度、そして、2030年6月1日に北海道で金環日食、全国で部分食、2035年9月2日には石川県〜茨城県で皆既日食、全国で部分食が予定されています。

 それに、今回特筆すべきこととして、金環日食と部分日食との境目、「限界線」といいますが、これがどこを通るか、アメリカのNASAの予測と、日本の学者の予測と限界線の位置が違っていました。この限界線が今回の金環日食では珍しくも神戸の東南部から阪神地域北部に存在しており、そこで、明石市立天文科学館など全国の研究者たちの「金環日食限界線研究会」が全国の限界線付近の観測者に呼びかけて、約1万6千人から実際の観測結果の報告が集ったそうです。
 これには、全国のアマチュアも含めた研究者、高校天文部の生徒たち小中学生たちが呼応して観測結果を明石市立天文科学館に報告したそうです。その結果は、現在分析中とのことですが、幅10km程度のばらつきが見られ、どうやら限界線は、明石市から神戸市西区の西神ニュータウン南部、北区の有馬温泉辺り、猪名川町周辺を通過した(?)ようです。
 ちなみに金環日食の経済効果は、関西大学の宮本先生の試算によると、全国で164億円だそうです。日食グラス購入や、宿泊・日帰りの観測旅行ツアー、プラネタリウム入場、関係書籍・グッズなどの直接分に波及効果を含めて、たった3分間のイベントにしては大きいものがあります。
 ツーリズム振興の観点からは、こういった知的探訪、稀有な出来事を体験できる機会に併せた説明会、観測会、観測ツアーなど各種イベントで地域の「にぎわいづくり」を企画されることを望みます。

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