「橘街道」スイーツ街道関西プロジェクト(2013年度経済産業省クールジャパンの芽の発掘・連携促進事業)
 (地域の活性化、まちづくり・まちおこしへの取組み 22)

「橘街道」スイーツ街道関西プロジェクト(2013年度経済産業省クールジャパンの芽の発掘・連携促進事業)

郷土史探訪ツーリズム研究所(代表)参加応援プロジェクト
『 “橘街道”スイーツ街道関西プロジェクト』
関西地区(兵庫県、京都府)
(2013年度経済産業省クールジャパンの芽の発掘・連携促進事業)
T.プロジェクト概要
 菓祖神田道間守が祀られる中嶋神社(豊岡市)を起点とし、菓子文化の中心京都を結ぶ「橘街道」の創出。
地域の農産物とパティシェ・菓子職人を結びつけ、「菓子」と「茶」(和束茶)、その背景にある文化を媒体として、日本通といわれる外国人を対象に、関心を喚起させることで、各地域へ誘客する実証実験。
・ その地域の「食」に関するアイテムの海外への展開
・ 近畿経済産業局の提案する「橘街道」の具現化
(左写真:中嶋神社(豊岡市))
1.プロジェクトの最終状況(進捗状況)
 地域の農産物とパティシェ、菓子職人をマッチングさせ新たなスィーツを開発する手法は、地域差はあるものの概ね達成できた。しかし、その材料及びスィーツを欧米へ展開するという当初の目的のひとつは、一部の食材に関してはその可能性を見出したものの、対象地域の基準により困難な状況と判断した。
 FIT(外国人個人旅行者)を、スィーツをテーマに結ぶ地域(橘街道)へ誘客するという目的は、実証実験において、確かな「効果」を確信でき、関係する行政等(観光関連機関)からも高い評価を得た。本事業を推進する企業も現れ、次年度は事業化に取り組む。
2.市場調査
 実証実験をプロジェクトではFS(フィジビリティスタディ=事業可能性調査)と位置づけ、2月17日〜19日に実施した。設定した仮説「地方がインバウンドを誘致する手法として、海外における旅行社・ランドへの営業や商談会への参加は、費用対効果として大きくない。(教育旅行や視察ツァーは例外)日本を「旅」しているFITに対し、「生情報」を提供し、その「臨場感」で、明日のスケジュールを変更させることが、費用対効果の高い手法である。」が、実証できた。次年度、この手法を、新たなビジネスモデルとして具現化する。
 スイーツに関しては、「香り」が、大きな要因であることが実証された。
3.戦略策定(ビジネスプラン・チーム編成等)
 実証実験では、関空へ乗り入れているLCCの影響で、オーストラリア、台湾、香港、(乗り継ぎで英国)の割合が高く、それぞれの旅行スタイルも、これまでの現地調査や香港への調査と併せ、「個人化・個性化」が急速に進んでいることが判明した。また、スィーツ・食への関心も高く、基本である「農」が、地域への誘客の要因になることも判明した。実証実験の結果をもとに、FITに人気の嵐山に橘街道で結ぶ地方都市の情報発信拠点を常設し、送客する。地方行政や観光、ツーリズムを所轄する機関とのファーム契約を結ぶとともに、拠点を外国人が好む飲食業態へ変更(蘭桂坊化計画)が、具体化しつつある。
4.商材開発・改良
 各地域でスィーツ開発に取り組んだが、地域差が大きく生じた。その要因は、各地域をコーディネートする専門家の力量であろうが、今年度の目標の一つが、地域のコーディネーター人材の育成をあげている点から、プロデューサーの指導能力不足に起因する。「食」「農」など地域資源を活用したインバウンドプログラムについては、これまでの行政などの取組とは、コンセプトが異なる商品のフレームワークを創出できた。
5.情報発信(PR・営業等
 今年度における情報発信は「橘街道」地域の「農」「観光」「ツーリズム」関係の行政及び関連機関、商工業者に対し、関心を喚起させるとともに、意識の醸成を目的とした。近畿経産局・兵庫県・京都府のネットワークにより、関係する行政の首長や関係部署から多くのオファーをいただいた。さらに、大手企業から「CSR」としての取り組みの提案や、経済同友会からのヒァリングなどあり、対象への情報発信としての成果は概ね達成できた。
6.商材の流通(商談・販売等)
 結果的には、次年度「橘街道」をテーマに、大手百貨店での催事開催が決定した。また、香港、シンガポール、バンコクでの食品系スーパーなどで、催事販売も可能だと考える。しかし、マーチャンダイジングや採算面で考えると、躊躇する。 
 インバウンド(観光)プログラムに関しては、コンセプトとも呼べるフレームワークが創出できたことから、地方行政などとのファーム契約事業を展開中である。
7.プロジェクトの特徴的な成果
@ 実証実験により仮設が実証され、新たな「ビジネスモデル」を創出することができ、参画企業が出現した。
A 首長や関係部署の関心を喚起さた地域が出現した。
B 「橘街道」をテーマに企業のCSRの一環として取り組みたいと大手企業が申し出た。
C 地域のインバウンド(FIT誘致)戦略の方向性を示唆する事象の発見があった。
8.来年度以降の計画・方向性
 農家とパティシェや菓子職人のマッチングシステムの構築(コンベンションの開発)と、エリアの拡大及び「橘街道」のブランディングを展開する。また、大手百貨店での催事の開催とともにパッケージ化したイベントを海外で開催する。
 FITへの「ツーリズム情報」発信施設を常設するとともに、スィーツの聖地となる地域の関係機関とファーム契約を締結し、事業として具現化する。
U.窺い知れるインバウンド、海外からの個人旅行者(FIT)の動向
  最近のインバウンド(海外から日本への旅行)に関する情報は、年間1,000万人を超えて、主力としてアジア方面からの団体客が買物を目的に行動している等のTV・雑誌・新聞などでの報道が目立ち、国内の関係者も特に彼らたちの動向に注目しているところです。日本人の一昔前の海外旅行がそうであったように。
 ところが、有名観光施設中心の団体旅行を早急には期待できないであろう国内各地へのインバウンド対応策を考える上で、今回の調査結果は大変重要なことを指摘している。既に数多く日本にやってきている個人旅行者(FIT)たちのツーリズム動向は、日本人の海外旅行に対する考え方を超えて進んでしまっているということを痛感させられる。日本人がそうであったように、言わば観光後進国の人たちもそうであるとの思い込みが少なからずあって、そのような常識に頼り続けることで、今後のインバウンド戦略が効果的でなくなる事態が懸念されるのではないでしょうか。
 海外の人たちの方が、観光・ツーリズムに対する意識が私たち日本人の想定よりも遙かに先進的であることをうかがわせているのです。海外からの個人旅行者(FIT)100人に直接ヒアリングした次の「実証実験」の概要からも読み取れます。(2014年3月)
【FIT調査の詳細は、下記のページへ】※写真をクリックして下さい。

(29)外国人個人観光客(FIT)は日本に何を求めているのか〜ヒアリング調査・「目から鱗」の実態をレポート〜

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