「ひょうごツーリズム戦略(平成29〜31年度・兵庫県)」の概要紹介
 (ツーリズム政策と提言 7)

「ひょうごツーリズム戦略(平成29〜31年度・兵庫県)」の概要紹介

●趣旨とテーマ
  兵庫県は、平成 25 年度に策定した「ひょうごツーリズム戦略(平成 26〜28 年度)」に基づき、観光ツーリズム推進本部のもと、全庁を挙げてツーリズム振興に取り組んできた。 現行の戦略が最終年を迎えることから、これまでの成果を継承しつつ、国内はもちろ ん、世界の人々との交流をもっと盛んにする「ツーリズムひょうご」の実現を目指して、 新たな「ひょうごツーリズム戦略(平成 29〜31 年度)」を策定した。
 「ひょうごツーリズム戦略(平成29〜31年度・兵庫県)」の概要を紹介します。
(2017年4月)
<参考>「ツーリズム」について
 ツーリズムとは、観光のみならず、自己研鋤や参加・体験活動、さらにはビジネスや学術研究・芸術文化等の目的のために、通常の生活拠点を離れて旅行・滞在・交流すること。
※「ひょうごツーリズム戦略」の資料は、兵庫県産業労働部国際観光局観光政策課より提供いただきました。
1 意 義
  多様な地域資源を生かした兵庫ならではのツーリズム振興の基本指針及びその具体化のための実践的な行動目標。
2 対象期間
  平成29年度から平成31年度の3 か年。
3 推進方策
  5つの戦略、10 の行動目標及び主な施策。(下段に詳細)
4 数値目標
次期戦略
(平成29〜31年度)
の新たな目標
現行戦略(平成26〜28年度)
目  標
実  績
ツーリズム人口(観光入込客数): 150百万人
ツーリズム人口: 150百万人
139百万人(H27年度)
国際ツーリズム人口: 300万人
(外国人旅行者数、H32年)
国際ツーリズム人口: 100万人
128万人(H27年)
観光消費額: 1兆5,000億円
1兆2,337億円(H27年度)
【兵庫県及び我が国のツーリズムの状況】
●兵庫県のツーリズムの推移と現状
1 ツーリズム人口(観光入込客数) ・平成24年度以降は年2〜4%程度の 緩やかな増加 ・平成27年度は姫路城グランドオープンや 「淡路花博2015花みどりフェア」により 前年度比4.1%増の1.39億人。
@ 地域別の観光入込客数 神戸、阪神地域で全県入込客の約半数。
A 県内・県外の比率 全国平均に比べ県外客が多い (57.3%・全国平均:52.8%)。
B 日帰り・宿泊比率 県内宿泊者数は1,380万人(H28年)で、全国平均 に比べ日帰り比率が高く、宿泊比率が低い (日帰り84.5%・全国平均:82.5%) (宿泊15.5%・全国平均:17.5%)。
2 国際ツーリズム人口(外国人旅行者数) ・平成24年から平成26年にかけて年平均 3割を超える増加 ・平成27年は、円安による割安感の定着や 航空路線。
@ 国・地域別動向 ・国・地域別では、台湾、中国、韓国、香港、米国の順 ・タイ、マレーシア等東南アジアからの来訪者の伸び率が急増。
A 外国人滞在状況 外国人旅行者の滞在人数は神戸市が最も多く、次いで姫路市、豊岡市の順 ( 「滞在」は3時間以上同一地点に滞留と定義して調査)。

3 観光消費による経済波及効果 観光消費額は1兆2,327億円、生産誘発額は1兆8,059億円、付加価値誘発額は9,841億円で県内名目生産額の 4.8%、就業者誘発者数は214千人。
●我が国のツーリズムを取り巻く動向
〈為替動向〉
@ 平成27 年半ばに1US ドル120 円を突破する円安になったが、その後平成28 年にかけて円は上昇。平成29 年 に入り再び円安傾向に。
〈社会基盤〉
@ LCC路線数、利用数が年々増加し、国際空港等でのターミナル整備が進展 A スマートフォン・タブレット等携帯情報端末の保有が急増、公衆無線LANサービスの利用は今後も増加見込。
〈国内旅行の動き〉
@ 宿泊数は、平成22年までは減少傾向、それ以降は横ばい。
A 団体旅行が2割程度、個人旅行が8割程度で推移。
〈インバウンドの状況〉
@ 訪日外国人旅行者数は、平成25年には1,000万人を突破、平成28年は2,403万人。
A ビザ発給要件緩和、LCC・クルーズ船増加により、中国、東南アジアからの旅行者が増加。
B 外国人旅行者が出発前に得た情報源で役立ったものは、 「個人のブログ」(27.2%)、旅行会社のHP(18.1%) 、 「旅行ガイドブック」 (17.6%)。 日本滞在中に得た情報源で役立ったものは、スマートフォン(56.4%)が圧倒的。
●主な課題と次期戦略の重点取組
〇交流人口 拡大
【主な課題】
@ ツーリズム人口は、過去4年、2〜4%の伸びで推移しているが、目標は未達成である。
A 国際ツーリズム人口は、着実に増加しており、1年前倒しで目標を達成したが近隣の受入上位 地域に水をあけられ、訪問先も面的な拡がりに欠け。
【次期戦略の重点取組】
(次期戦略1) 首都圏等、新たなターゲットに対してストーリー性やテーマ性を発信しながら、誘客を図る 高齢や障害の有無に関わらず、誰もが気兼ねなく旅行に参加できるユニバーサルツーリズムを推進する。
(次期戦略2)外国人旅行者の大幅拡大に向けて、「ひょうごゴールデンルート」の打ち出しによる観光ブランド力の向上と 誘客の促進、拠点地区から周辺観光地への周遊拡大に取り組む。
〇観光消費額 拡大
【主な課題】
@ 全国平均より県外客が多いが、近隣府県からの来訪が多く、宿泊者比率も全国平均を下回る。
A旅館等宿泊施設の人材不足が顕在化している。
【次期戦略の重点取組】
(次期戦略3) 滞在時間を延ばし宿泊を誘発する取組、特産品販売を拡大する取組を強化する 旅館等宿泊施設の人材確保への支援、学生等次世代を担う観光人材の育成に取り組む。
〇スポーツイベントを捉えた交流拡大
【主な課題】
@ 今後の国際的なスポーツイベントを控え、その後も見据えた誘客の仕掛けづくりが必要である。
【次期戦略の重点取組】
(次期戦略4) 国際的なスポーツイベントを控え、参加者や家族をツーリズムに結びつける先導事業を実施するほか、事 前合宿の誘致等により地域ぐるみの交流を促進す。
【5つの戦略と、10の行動目標及び主な施策】
戦略1  兵庫ならではのツーリズ ムづくり 〜交流人口の拡大により地域に元気をもたらすツー リズム〜
行動目標
1 多様なツーリズム資源の魅力を高め、 新たな関心を呼び起こす。
取組の方向性
◇ツーリズム資源の発掘・創出
◇連携によるツーリズム資源の魅力向上
◇多様なニーズに応えるツーリズム商品の造成促進。
主な施策
・ひょうごロケ支援 Net 事業 ・ひょうごツーリズムシップ事業 ・ひょうごツーリズムバス事業 ・古民家再生促進支援事業 ・山陰海岸ジオパーク推進事業 ・六甲山遊休施設利活用支援事業 ・兵庫県の祭り・行事調査の実施
行動目標
2 効果的なプロモーシ ョンを展開する。
取組の方向性
◇ターゲットやテーマを明確にしたプロモーションの 展開
◇多様な手段による情報発
主な施策
・「あいたい兵庫キャンペーン 2017」実施事業 ・「兵庫わくわく館」を活用した首都圏プロモーション ・ホームページ「ひょうごツーリズムガイド」及び Facebook「あいたい兵庫」等によるツーリズム情報の発信
行動目標
3 人々を呼び込む基盤を整備する。
取組の方向性

◇快適を届ける基盤整備
◇安全安心を届ける基盤整備
主な施策
・ユニバーサルツーリズム推進事業 ・空港の有効活用・利便性向上 ・姫路港旅客ターミナルエリアのリニューアル ・兵庫陶芸美術館〜篠山方面直通バスの運行実験事業 ・淡路島周遊バスの試験的運行 ・「たじまわる」の運行 ・公共交通バリアフリー化の促進
戦略2 外国人旅行者をもてなす 国際ツーリズムづくり 〜外国人旅行者がひとりで 安心して県内を周遊できる国際ツーリズム〜
行動目標
4 海外から選ばれる魅力を創出す。
取組の方向性

◇外国人旅行者の関心をとらえる魅力の形成
◇広域連携による魅力の創出
主な施策
・「ひょうごゴールデンルート」推進事業 ・訪日教育旅行誘致・受入促進事業 ・関西広域連合による誘客促進 ・(一社)せとうち観光推進機構による誘客促進 ・ビジット Hyogo 連携促進事業 ・県立淡路夢舞台国際会議場への国際会議等の誘致
行動目標
5 海外送客市場の関心と需要に応えるプロモーションを展開する。
取組の方向性

◇海外でのセールスや招聘ツアーを中心としたプロ モーション
◇誘客の拡大に向けた重点プロモーション
◇誘客の地域的拡がりに向けた重点プロモーション
◇戦略市場への重点プロモーション
◇外国人旅行者に届く魅力発信
◇効果的なプロモーションに向けた情報収集・分析
主な施策
・兵庫県外客誘致促進委員会での取組 ・兵庫県・京都府・鳥取県広域観光交流圏インバウンド誘客促進事業 ・外国人ドライブ旅行誘客促進事業 ・「ひょうご国際観光デスク」開設事業 ・西豪州友好提携 35 周年記念事業 ・スマートフォンアプリを活用した情報発信事業 ・口コミコンテンツによる魅力基盤形成事業 ・神戸市と連携した大型クルーズ船旅行者の誘客事業
行動目標
6 外国人旅行者がひとりで安心して歩ける環境を整備する。
取組の方向性

◇ストレスない環境の整備
◇安心を届ける環境の整備
主な施策
・インバウンド受入体制整備促進事業 ・「ひょうごツーリストインフォメーションデスク」運営事業 ・「関西ツーリストインフォメーションセンター」の共同運営
戦略3 地域の産業と協働するツ ーリズムづくり 〜宿泊や買物の満足度を高めるツーリズム〜
行動目標
7 観光関連事業者・ 団体の競争力を高める。
取組の方向性

◇経営基盤強化への支援
◇業種間連携による新たな価値創出への支援
◇観光消費拡大に向けた取組
主な施策
・観光地魅力アップ支援事業 ・「五つ星ひょうご」プロモーション事業 ・ひょうごの「酒」輸出拡大促進事業 ・「’17 食博覧会・大阪」兵庫の特産品出展事業 ・インバウンド受入体制整備促進事業・ひょうご五国のめぐみ首都圏発販路拡大の実施 ・認証食品需要拡大対策事業 ・ひょうごの「農」「食」輸出拡大の促進 ・商店街免税店拡大等による外国人誘客促進支援事業 ・兵庫県中小企業融資制度(観光等設備貸付)
行動目標
8 観光人材を確保・育成する。
取組の方向性

◇旅館など観光関連産業の基盤を支える人材確保・育成
◇若年層を中心とした観光関連産業人材の裾野拡大
◇地域の“おもてなし”人材の育成
主な施策
・観光関連産業の人材確保・育成事業 ・観光ボランティアガイドの育成事業 ・学官連携によるツーリズム振興 ・但馬技術大学校の総合ビジネス学科(仮称)開設
戦略4  国際的なスポーツイベン トをとらえた交流の拡大 〜レガシー創出に向けたツ ーリズム〜
行動目標
9 機会をとらえ、その後も見据えた誘客の取組を展開する。
取組の方向性

◇機会をとらえた集客とレガシー創出の仕掛け
◇スポーツツーリズム資源の磨き上げによる誘客拡 大
主な施策
・東京オリンピック・パラリンピック事前合宿の招致 ・「ワールドマスターズゲームズ 2021 関西」の開催準備 ・「日本スポーツマスターズ 2017 兵庫大会」の開催 ・関西連携海外観光プロモーション事業 ・スポーツプラスワンツーリズム事業
戦略5 ひょうご五国の地域ツー リズム 〜地域のブランド力向上に 向けたオリジナルなツー リズム〜
行動目標
10 地域の創意と工夫によりオリジナルのツーリズムをつくる。
取組の方向性


◇楽しいまち・神戸(神戸)

◇阪神間モダニズムや都市近郊の自然環境を生かした都市型ツーリズム(阪神南)

◇北摂の多彩な文化と里山を体験する都市近郊型ツーリズム(阪神北)

◇人・もの・情報が交流し、にぎわう東播磨(東播磨)

◇地域の資源を生かした広域観光の推進(北播磨)

◇中播磨の魅力を生かした交流の地域づくり(中播磨)

◇光と水と緑でつなぐ西播磨ツーリズムの推進(西播磨)

◇但馬への誘い〜但馬周遊ツーリズム〜(但馬)

◇伝えたい 招きたい ふるさと丹波〜“丹波ファン”拡大による交流の促進〜(丹波)

◇御食国と国生みの島を舞台としたふるさと淡路島ツーリズム(淡路)
※「ひょうごツーリズム戦略」の資料は、兵庫県産業労働部国際観光局観光交流課より提供いただきました。
【問い合わせ先】 産業労働部観光交流課 ツーリズム政策班 (TEL 078-362-3375)
※「前回の戦略」(平成26〜28年度) にLINKしています。絵をクリックしてください。

【参考】
前回の戦略
(平成26〜28年度)

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