飛行機トラブル集(海外トラブル)
 
ツーリズム関連のレポート・エッセイ集 25)

飛行機トラブル集(海外トラブル)
『香港駐在生活・こぼれた話こぼれなかった話』(中嶋邦弘)より
2002.2.1 神戸新聞総合出版センター 発行
(1)オーバーブッキング
 その日の夜、会食の約束をしていた日本からのお客さん達が時間になっても事務所に現れない。どうしたのかな、と思っていると電話があった。約束キャンセルの連絡だ。ことの顛末は次のとおり。
 香港の日系企業U社の香港代表F氏と同行していた日本からやって来た貿易団体K氏の2人は、中国雲南省昆明(クンミン)で、リ・コンファーム(搭乗再確認)を済ませているにもかかわらず、1時間前に手続きにカウンターへ行ったところ、席は「もう無い」と言われ、強い抗議にもかかわらず積み残しにされてしまった。香港行きの次の直行便は、週2便運航のため3日間待たされることになるので、必死に迂回ルートの確保に走り回って、何とか深夜に香港に帰って来た。
 搭乗手続き(チェックイン)は必ず出発2時間前までに済ませて搭乗券(ボーディング・カード)を貰っておくこと。搭乗定員よりも多く予約を取るオーバーブッキングはよくあること。
(2)セキュリティ・チェック
 空港のセキュリティ・チェックは面倒くさいほど厳重な時がある。しかし、日本の場合と比べると、どうでもよいところに何重にも注意して、肝心なところは意外と見逃していることが多い。ある航空会社の場合、X線検査はかっこだけだという噂まで一時流れたが、これはどうやら本当に使っている様子。逆に、他所よりも強いX線を使っていて、写真フィルムはASA100(通常の感度)でも危ないという専らの噂もある。先般、約7センチの大型爪切りを手土産にと20個ほど束にして鞄に入れてX線検査を通ろうとして引っかかり、いくら説明してもがんとして聴かず、とうとう全部の爪切りの包装を剥がれてしまった。検査官は機関銃かライフルの弾と思ったようだ。手土産に大型爪切りは絶対持って行ってはいけません。
(3)VIP送迎待機?
 飛行機がゲートに到着し、ドアが開いたのに誰も降りてこない。パーサーはちゃんと入り口に待機しているのに、そのまま15分経過。搭乗待ち合いの人達も何事が起きたかと固唾を飲んで見守っている。そこへ黒いスーツに身を固め、トランシーバーを持った空港係官が3人、駆け込んできて飛行機の中へ。しばらくして、中東国の王様風の一行が先ほどの3人にエスコートされて飛行機から降りてきた。
 その後に、疲れきった顔の一般乗客達が次々と降りてくる。なんのことはない。要人出迎えの3人が到着するのが遅れただけのこと。北京の国際空港で。
(4)運行時間厳守?
 ある航空会社便が時間通りに飛ぶのは珍しいこと。同じ機体を次々に別便に充てており、途中の便の際に遅れが発生すると、積み重なって最後の方では何時間も遅れてしまう。夜8時到着予定の桂林発香港着便が真夜中になることもしばしばある。お客様の出迎えに行って到着出口ロビーで延々待ち続ける羽目になることもしばしば。その当日中に到着できたら儲けものと考えておけば腹もたたない。
でも、油断してはいけない。こんなこともあったのだ。海南省海口空港で、40分前から搭乗を始め、搭乗券をもぎっていた係官が機内に乗り込み、人数を数えて出て行ったと思った途端、飛行機はさっと離陸してしまった。定刻15分前の出発。
(5)搭乗手続きミスと緊急修理
@ 広州から香港への夜の便は、定期便とツアー客専用のチャーター便との2便が5分違いである。定期便のほうが先発である。この夜、両機とも1時間ほど遅れて双方の乗客は皆並んで待っていた。ところが機体整備が先に完了したチャーター便の方を改札し始めたところ、改札係が勘違いして先発予定だった定期便のほうの列の客を全部乗せてしまった。
 直後、空港係官が駆けつけ、間違いに気がついて大騒ぎ。結局、30分後に用意のできた定期便使用の機体にチャーター便の客を乗せ、香港に向けて直ちに出発。多分、荷物は交互に入れ替わって積載されたまま。各便の搭乗客のリストを訂正する間があったかな。もし片方が落ちてたら遭難客名簿はどうなるんですかね。
A 事務所へやってきた兵庫県内企業の社長M氏。来るなり、「けしからん、恐かった」との話。聞けば、広東省内での合弁事業の打ち合わせの帰り途中、広州の白雲空港で香港行き便を待っていた時のこと。この日は定期便の整備が遅れて、しかも5分後発のはずのチャーター便はまだ到着さえ未だ。待っている客は全員係官に不満をぶつけていた。そのうち定期便の用意ができたとかで搭乗を始めたが、一部の定期便客がストップをかけられて、香港での乗り継ぎに遅れそうなチャーター便客の団体のうち数10人を先に乗り込ませた。彼はあおりを受けて取り残された。既にチェックインして定期便の座席指定ボーディングカードを受け取っていてもこの有り様。文句を言っても暖簾に腕押し。もし、チャーター便が遅れて運航停止になれば、広州にもう1泊する羽目になるところ。
 しかし、運良く、かなり遅れてチャーター便が到着。機体整備が済んで搭乗したが、なぜかそのまま1時間待機。やっと動きだしたと思ったら積み残した荷物をあわてて積載する始末。滑走路に辿り着き離陸スタンバイで、またハプニング。今度は主翼のフラップが動かないとかで整備車が急遽かけつけて窓越しに目の前で整備員がドライバーなどを使って緊急修理。定刻より5時間近く遅れてなんとか出発。香港の空港に着陸停止するまで生きた心地はしなかったとか。
※次の掲載のレポート(24)で、「この飛行機、大丈夫?」のケースを紹介しています。
 (24)この飛行機、大丈夫?(海外トラブル)
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