民俗学の父・柳田國男のふる里、福崎辻川界隈
(1)巌橋 辻川の南を岩尾川(雲津川)という綺麗な細い川が流れて、橋が石橋に架け代えられた、と柳田國男が思い出を記しています。 平成11年の河川改修時に現在の公園に移築されました。 最近、市川の淵「駒が岩」に棲むと伝わっている河童の池之端で見つめる「河太郎(がたろう)」と池の中から突然登場する「河次郎(がじろう)」たち、その他妖怪たちが驚かせてくれます。 (周辺の見所:もちむぎのやかた)
(2)昌文小学校跡地 國男の兄、長男の松岡鼎が19歳で初代校長になり、國男が学んだ小学校。現在は町民第1グランドです。
(4)柳田國男生家 民俗学の父、柳田國男が生まれた家。柳田國男が著書『故郷七十年』の中で、「日本一小さい家」「ここから民俗学への志も源を発したといってよい」と記しています。
(5)町立神埼郡歴史民俗資料館 神崎郡の歴史や、当地方で使われていた生活用具、農具などの民俗資料を展示しています。建物は明治19年、神崎郡役所として建設されたものを現在地に移築・復元したものです。明治時代のモダンな洋風建築です。 (周辺の見所:家形石棺、八千種村道路元標、薬師堂、短歌の森)
(6)鈴の森神社 柳田國男が子供の頃よく遊びに来ていた場所の一つで、境内の狛犬に乗ってよく遊び、山桃の実を採って食べた思い出の神社です。播磨國風土記に神々が集まったとあり、勉学、声学、安産の神々を祭っています。鈴の緒をおなかに巻くと安産だという言伝えがあります。お礼は2本お返しするとされています。受験祈願には絵馬を奉納すると良いです。 (周辺の見所:もみじ回廊)
(7)古宮跡 鈴の森神社の元の宮として知られています。市川の駒ケ岩より鈴の森大明神が神馬で飛んできたという伝説の地です。
(9)駒ケ岩 市川の淵にある大きな岩で、この淵で泳いでいると河童の「河太郎(がたろう)」にお尻をぬかれるという民話や、岩に古宮に向かって跳んでいった神馬の蹄跡があると言われています。 (周辺の見所:手作り醤油屋、作家横光利一住宅跡、田原村道路元標、松岡百貨店)
(11)元ますや 國男夫妻が昭和27年帰郷の時に宿泊したお宿の跡です。現在は景観を似せて住宅を再築されています。 (周辺の見所:鈴の露酒店)
(12)柳田國男生誕地の碑 柳田國男の生家があった所です。 (周辺の見所:クスノ木)
(13)有井堂 旅をしていた神積寺の開祖慶芳上人がこのお堂に泊まり、夢のお告げにより、神積寺を建立されたとされています。 この堂の床下に犬が数匹の子犬を産んでいるのを柳田國男とその兄弟が見つけ、堂の下にもぐりこんで子犬をつかまえ、楽しく幼年期を過ごしたそうです。 (周辺の見所:三木家の土壁)
(14)大庄屋三木家 三木家は英賀城主の後裔で秀吉の中国地方遠征後、ここ辻川に移り住み、姫路藩の大庄屋として地域の政治・文化の中心的存在でした。 古い建物は300年以上にもなります。百姓一揆の時の刀傷が当時のまま残っています。 柳田國男は10歳の頃1年間預けられ、三木家の書物を読み漁っていたそうです。 (周辺の見所:元辻川郵便局=最近取り壊し、銀の馬車道、東三木家)
郷土の偉人・柳田國男ゆかりの地、フォークロアの世界。いかがでしたか。
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