未来都市「播磨テクノポリス(科学公園都市)」のアーバンデザイン
(地域の活性化、まちづくり・まちおこしへの取組み
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未来都市「播磨テクノポリス(科学公園都市)」のアーバンデザイン
播磨科学公園都市は、兵庫県の西、岡山県に隣接する西播磨の豊かな自然環境のなか、「人と自然と科学が調和する高次元機能都市」をトータルコンセプトに、産・学・住・遊の機能を総合的に備える新しい街を目指しています。今、世界最高性能を誇る大型放射光施設など21世紀の科学技術の発展を支える学術研究機関群とナノテク分野をはじめとする「ものづくり」産業が集積するとともに、快適な居住環境や余暇機能などが充実して、街の各所から近代的かつ新鮮なアーバンデザインが窺える未来都市となっています。
播磨科学公園都市の概要
都市は、兵庫県南西部の西播磨地域のほぼ中央、たつの市(旧新宮町)、上郡町及び佐用町(旧三日月町)にまたがる西播磨丘陵に位置し、姫路市の西北西約25km、神戸市から 75km圏、大阪市から100km圏にあります。
日本列島改造論が世をリードしていた昭和40年代後半に。兵庫県内の中国自動車沿線は、都市近郊ということもあって開発プロジェクトが林立し、土地は民間デベロッパーや行政による将来を見据えた先行取得が相次いでいました。
昭和50年頃には、この地、「播磨高原」では民間ディベロッパーが一大レジャー施設の開発構想を掲げましたが、瀬戸内海沿岸都市からのアクセス道路は一応県道に指定されていましたが、「県道」ならぬ「犬道」と揶揄されるほど車での走行も苦労するほどの狭さでした。当時、小高い丘の上にあった牧場から眺めたこの地は、標高200〜300mの山々と間の深い谷が錯綜する風景が眼前に広がっていただけでした。
ようやく昭和50年代に入って、石油ショック等による世界経済の変動後、ローマクラブが提唱した「成長の限界」などが問題を投げかけ、 都市開発も自然と調和したアメニティ豊かな街づくりへ、資源を持たない日本は技術立国政策へと転換していったのです。そして、テクノポリス構想が注目されるようになり、 この地、兵庫県が主導して、播磨高原がテクノポリス(科学公園都市)として街づくりを進める ことになりました。
※「テクノポリス構想」:テクノポリスとは、産業・学術・住空間が有機的に結合された新しいまちであり、地域の特性を生かして地元が主体的に進める新しい地域開発。 @電子機械等の先端技術産業を中核とする産業群、A産業を支える工科系大学や民間中央研究所、B潤い、ゆとりのあるまちづくり、 という3つの要素を持つ都市づくりを21世紀に向けて進めるもの。
(1980年当時)
その後、1981年(昭和61年)10月に起工し、世界に誇る大型放射光施設(SPring-8)の誘致、国公立では戦後初の創設となる姫路工業大学(現在、兵庫県立大学)理学部の開校、知的な交流や情報交換の場となる県立先端科学技術支援センターがオープン。
また、小・中・高の教育機関の整備、地区センター開設、和風・洋風の住宅、公園・遊歩道、行政機関、商業施設など、住民の生活環境整備も進められ、研究型企業の進出と、1997年大型放射光施設(SPring-8)の本格稼動に連れて国内外の第一線の科学者が集う国際交流都市の様相もでてきました。
1997年8月には、75万人の方々が参加「まちびらきフェスティバル」開催、続いて2003年県立粒子線医療センター、2006年西播磨総合リハビリテーションセンター、2008年にひょうご環境体験館(はりまエコハウス)、2010年に播磨光都サッカー場がオープンしています。2011年には関西イノベーション国際戦略総合特区に指定、2012年にはX線自由電子レーザー施設SACLAが供用開始されました。
この未来を先取りした都市開発のコンセンプトとアーバンデザインに基づいた街の実現は、日本のみならず世界各国の注目を集め、建築や都市開発の専門誌にも取り上げられ、一大写真撮影スポットとなっています。
この、人と自然と科学が調和した21世紀の新都市のモデル、未来都市「播磨テクノポリス(科学公園都市)」は探訪に値する街です。
●播磨科学公園都市のアーバンデザイン計画
〜めざしたのは「時間とともに成長する森の中の都市」〜
国際レベルのアメニティ豊かな都市の形成をめざすため、播磨科学公園都市では、「アーバンデザイン計画」を導入しています。
建築家の磯崎新氏、安藤忠雄氏、渡辺真理氏、ランドスケープアーキテクト(造園家)のピーター・ウォーカー氏の指導のもと、“時間とともに成長する森の中の都市”をコンセプトに、(1)タウンパークの整備、 (2)グリーンネットワーク、(3)ランドスケープデザインの3つの重点施策を推進し、都市全体を統一した視点に基づき、地形・修景緑化・建築デザイン等、都市機能と景観の両面から一体的にデザインすることにより、 快適な居住環境と優れた研究環境を備えたデザイン性の高い都市の実現を図っています。
【この都市がまもる、3つの基本方針】
1. 自然の地形、固有の植生を尊重すること。
2. 地形の改変を最小限にとどめる注意深い建物の配置、大規模な植林など、可能な限りの方法によって、この地域の自然の美しさを保全すること。
3. 先進的な建築デザインとランドスケープ・デザインによって、この街の明確な視覚的アイデンティティを確立すること。
●この都市を象徴する3つの空間
センターサークルを中心とするタウンパーク
草地、公園、遊歩道、自動車道などで構成されるグリーンネットワーク
世界的に著名な建築家と造園家がつくりだしたランドスケープ
●播磨公園都市の主な施設紹介
科学・研究機関
世界最高性能を誇る大型放射光施設SPring-8の蓄積リング(周長1436m)。ほかに、(独)理化学研究所播磨事業所、(独)日本原子力研究開発機構関西光科学研究所(播磨地区)も立地
大型放射光施設SPring-8のリング内の研究ブース
X線自由電子レーザー施設
SACLA
大型放射光施設(SPring-8)管理棟。高輝度光科学研究センター(JASRI)も
丘の上に建つ兵庫県立大学理学部 ・大学院
兵庫県立大学 高度産業科学技術研究所
中型放射光施設ニュースバル(兵庫県立大学)
(大型放射光施設SPring-8に隣接)
兵庫県放射光ナノテク研究所(大型放射光施設SPring-8に隣接)
生活環境
最先端がん治療施設の
県立粒子線医療センター
県立西播磨総合リハビリテーションセンター
県立先端科学技術支援
センターの全景
(磯崎新氏設計)
県立先端科学技術支援
センター第1期
(コンベンション・ホテル・展示ギャラリーなど)
県立先端科学技術支援センター第2期棟(研究機関)(建物は磯崎新氏設計、エントランス前の庭園はピーターウォーカー氏設計)
国際会議の開催もできる斬新なデザインの県立先端科学技術支援センターのホール
県立先端科学技術支援センターのロビーホール、
中央で拍手を打つと日光東照宮の鳴き龍現象が起る
県立先端科学技術支援センター中庭のツインの築山(ピーターウォーカー設計)
県立先端科学技術支援センター 周辺の日本庭園
(ピーターウォーカー設計)
光都プラザ。スーパー、レストラン、診療所、郵便局、ATM、交番、行政など地区センターの役割をもつ
(磯崎新氏設計)
地球温暖化など環境学習ができる
ひょうご環境体験館
(愛称:はりまエコハウス)
(遠藤秀平氏設計)
ひょうご環境体験館(愛称:はりまエコハウス)の大ホール。球形建物の内部構造が見える
播磨光都サッカー場
(Jリーグ規格)
自然とマッチした住宅地域内の栗ノ木谷公園、
長いローラースライダー
(滑り台)もある。
栗ノ木谷公園、
管理室・トイレ
(遠藤秀平氏設計)
ふれあいスポーツ交流館
(体育館・温水プール)
教育機関・行政機関
播磨高原東中学校。小学校と隣接し、航空母艦の
ようなリニアな校舎
(安藤忠雄氏設計)
播磨高原東中学校の
楕円形の体育館
(安藤忠雄氏設計)
中学校と隣接し、統一デザインの播磨高原東小学校
(安藤忠雄氏設計)
兵庫県立大学付属中学校・高等学校
(文部科学省指定のスーパーサイエンスハイスクール)
兵庫県立西はりま特別
支援学校
プレ・スクール光都
(就学前の子どもたちを対象とした創造的教育施設)
兵庫県の西播磨総合庁舎。太陽光発電システムを
具備したエコ仕様の庁舎
耐震構造の西播磨総合
庁舎の大屋根形式の
コンコース風景。
県税・土木・保健・福祉業務などの県民局が入居
住宅・その他施設
戸建て住宅街「光都21」
和風住宅ゾーン
戸建て住宅街「光都21」
輸入住宅ゾーン
大きな吹き抜けのあるユニークなデザインのUR住宅
「サンライフ光都」
(磯崎新氏設計)
円環型の集合賃貸住宅
「オプトハイツ」
(磯崎新氏設計)
集合住宅「オプトヒルズ」
街の中央センターサークルの外周には夜間光を放つ人造石が林立
(ピーターウォーカー設計)
第1〜第3発電所を持つ
太陽光発電施設
(木精架台)
ヘリポート全景
(現在、閉鎖)
ヘリポートの管制塔・
待合室など(現在、閉鎖)
(安藤忠雄氏設計)
街中にある
ストークヒル・ゴルフクラブ
いかかですか。 これら写真に掲載したもの以外に、
光都・企業交流センター、(独)理化学研究所播磨事業所、
(独)日本原子力研究所、、星の広場(展望広場) ・ 遊歩道、芝生広場(センター地区)、多くの立地企業、兵庫ものづくり支援センター播磨、播磨公言広域事務組合、たつの市・上郡町行政サービスセンター、西播磨防災センター、等々、
多くの未来的な景観に出会える街です。是非一度、お訪ねください。
(2011年4月、2015年8月)
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