(1)世界ジオパークネットワーク参加の要件
ジオパークは、ユネスコの支援により設立された世界ジオパークネットワーク(2004年設立)により、世界各国で推進されています。ジオパークは、以下のように定められています。
@ 地域の地史や地質現象がよくわかる地質遺産を多数含むだけでなく、考古学的・生態学的もしくは文化的な価値のあるサイトも含む、明瞭に境界を定められた地域である。
A 公的機関・地域社会ならびに民間団体によるしっかりした運営組織と運営・財政計画を持つ。
B ジオツーリズムなどを通じて、地域の持続可能な社会・経済発展を育成する。
C 博物館、自然観察路、ガイド付きツアーなどにより、地球科学や環境問題に関する教育・普及活動を行う。
D それぞれの地域の伝統と法に基づき地質遺産を確実に保護する。
E 世界的ネットワークの一員として、相互に情報交換を行い、会議に参加し、ネットワークを積極的に活性化させる。
F 防災への取り組みも重視する。地質災害に関して社会と知識を共有するためにジオパークを役立てる。 ※この7の項目は、2008年6月にドイツのオスナブリュックで開催された第3回ユネスコ国際ジオパーク会議宣言より
(2)世界ジオパークネットワークへの道筋
@地域で声を挙げる
o 地域協議会を立ち上げる。
o 地質・地形遺産を中心とした自然・文化遺産をリストアップし、それらを教育・普及、ジオツーリズムに活用する体制を作り始める。
A 日本ジオパークネットワーク(JGN)に参加する。
o 地域協議会はまだなくとも参加は可能。
B ジオパーク運営組織を立ち上げジオパークとしての活動を開始する。
C 日本ジオパーク委員会(JGC)がユネスコガイドラインに基づいてその活動を評価し、一定水準に達したものにJGN加盟を認める。
o この段階で、はじめて「ジオパーク」という名称とロゴを使用することが出来る。
o それまでは、JGNにはオブザーバー参加で、○○ジオパーク(申請中)と表記する。
D日本ジオパーク委員会(JGN)は、優れた地質・地形遺産があり、その活動が世界水準に達したジオパークを世界ジオパークネットワーク(GGN)申請候補に選定する。
E 選定を受けた各地域の運営組織が、GGNに申請書を提出する。
F GGNの依頼を受けた委員会が書類審査・現地調査を行い、GGN加盟の可否を判定する。
G GGNに加盟したジオパークは、世界のジオパークと連帯して日本ジオパークの模範となって、ジオパーク運動の推進に努める。 (「日本ジオパーク委員会資料」より)