(2)機体整備、ちゃんとやってる?
@ 離陸して窓の外を見ると何かがヒラヒラしている。よく見ると、窓ガラスを止めているシーリングのゴム片が外れかかって風にたなびいていた。
A 座席でテーブルを出そうとすると、ガタッとはずれてしまった。隣の座席も、また各所でも悲鳴が連続する。
B 座席まわりは、かなりネジ釘で止められているが、同一箇所にプラスねじやマイナス
ねじが混在して、しかもねじのサイズが違うので途中までしか止められていないものもあり、手でも簡単に抜けた。オッ、分解してしまうぞ。
C 座席の窓側に座って窓枠を見たら、接着剤で割れ目を修理した跡がある。その跡を上下に辿っていくと、ちょうど天井から床までの亀裂を修理していた。真二つ?になってたのか。
D 飛行機に乗り込む際にドアの蝶つがいのところを見ると、グリスを塗った形跡が無い。錆びが浮いている。
A 滑走路に着地して逆噴射をかけて急制動するが、その際、スキーのウエーデルンをやっているようにおしりを振って、右に左に蛇行した。悪天候の飛行でガタガタ揺れても恐くはなかったが、さすがこの時は空港でのオーバーラン事故(上記)の直後だけに背筋が凍った。
(4)機内で異変?
@ 機内で雨が降る。これは本当。冷房の加減で、座席上方の冷気吹き出し口の金具が結露し、これがポタポタと乗客の上に降り注ぐ。そう、まさに降ってくるのです。冗談のきつい、あるいはユーモアたっぷりか、同乗のイギリス人は、機内で傘をさしていた。でも、これでもまだましな方。
A 滴の垂れるのは何時ものこと。でも、これはひどい。離陸にむけてスピードを増して機首をガクンと上に向けた時、天井のパネル内に溜まっていた水が瀧のように機内後方へ落ちてきた。バケツの水をひっくり返したように、幸いにも通路を直撃。上空で水平飛行に移った途端、こんどは機内前方の通路へ大シャワー。機内の足元は床上浸水。香港から目的地までの30分間この状態のまま。
B 飛行中、気流の悪いところで機体が激しく揺れて、座席上部にある荷物棚の扉が一斉に開いて、水ならぬ荷物が乗客の上にドサドサッと降りかかった。乗客と荷物併せてユッサユッサとミキシング。
A 夏、炎天下に留めている飛行機に乗り込み着席したらすぐに搭乗記念土産の扇子が配られる。粋なサービスと思っていたら、冷房が全然効かないからせめてこれでも使ってくださいということ。機内は蒸し風呂。おまけに、出てくる機内サービスのジュースは体温より暖かくなった紙パック入り。状況はほとんど変わっていないのに、最近では扇子もくれなくなった。
B ある航空会社のステュワーデスは笑わないと言われているが、唯一笑顔が見れる時があるとの定評に注意して見ていると正にそのとおり。目的地に着いて乗客が飛行機から降りて居なくなっていく時である。噂のとおり。でも今はどうだろうね。
A 事務所へやってきた兵庫県内企業の社長M氏。来るなり、「けしからん、恐かった」との話。聞けば、広東省内での合弁事業の打ち合わせの帰り途中、広州の白雲空港で香港行き便を待っていた時のこと。この日は定期便の整備が遅れて、しかも5分後発のはずのチャーター便はまだ到着さえ未だ。待っている客は全員係官に不満をぶつけていた。そのうち定期便の用意ができたとかで搭乗を始めたが、一部の定期便客がストップをかけられて、香港での乗り継ぎに遅れそうなチャーター便客の団体のうち数10人を先に乗り込ませた。彼はあおりを受けて取り残された。既にチェックインして定期便の座席指定ボーディングカードを受け取っていてもこの有り様。文句を言っても暖簾に腕押し。もし、チャーター便が遅れて運航停止になれば、広州にもう1泊する羽目になるところ。
しかし、運良く、かなり遅れてチャーター便が到着。機体整備が済んで搭乗したが、なぜかそのまま1時間待機。やっと動きだしたと思ったら積み残した荷物をあわてて積載する始末。滑走路に辿り着き離陸スタンバイで、またハプニング。今度は主翼のフラップが動かないとかで整備車が急遽かけつけて窓越しに目の前で整備員がドライバーなどを使って緊急修理。定刻より5時間近く遅れてなんとか出発。香港の空港に着陸停止するまで生きた心地はしなかったとか。(1991年当時)