小説の主人公博物館「シャーロック・ホームズ ミュージアム」(英国)
 
ツーリズム関連のレポート・エッセイ集 24)
小説の主人公博物館「シャーロック・ホームズ ミュージアム」(英国)
 実在の偉人についての博物館・記念館は多くあります。偉大な功績を残した人、みんなに愛されて記憶に残っている人で、国家や地域のリーダー、芸術家や小説家など。しかし、架空の有名人をテーマにした博物館は珍しい。作家たちが創作した小説や映画の主人公たちだ。ディズニーランドやユニバーサルスタジオなどのテーマパークは別として、数はそう多くありません。

博物館前の「コンサルティング・ディテクティブ(顧問探偵)シャーロック・ホームズ」の看板
 国内で言えば、東京葛飾の「寅さん記念館」、海外では、アメリカのイリノイ州メトロポリス市の「スーパーマン博物館」、フランス北部のエトルタに「アルセーヌ・ルパンの家」、イタリアのヴェローナには「ジュリエットの家」があります。そしてイギリスでは、ロンドン郊外に「ハリーポッター ミュージアム」が最近オープンしましたが、老舗の小説主人公博物館としては1990年3月に「シャーロック・ホームズ ミュージアム」が小説の設定どおりにロンドンのベーカー街221b番地にて公開されました。
 昨今、この世にも珍しい小説の主人公博物館は、世界の旅行客の目的施設として人気が高まって、新たなツーリズム資源となっています。
右写真:博物館の建物イラスト(パンフレットより)

 ご存知のように、シャーロック・ホームズは、アーザー・コナン・ドイルの探偵推理小説の主人公で、もちろん創作された架空の人物です。ホームズは、ロンドンのベーカー街221B(世界一有名な住所)のアパートで、相棒の医師ジョン・ワトソンと共同生活を送り、探偵コンサルティングを行って、そして、ワトソンが、ホームズと携わった事件を物語にして発表していました。
 世界中のシャーロッキアン(シャーロック・ホームズのファン)たちが、小説中のシャーロック・ホームズ像と探偵物語に触れることのできる場所として、人気を集めているのです。
 国内でも、「銭形平次記念館」や「金田一耕助博物館」などの実現が期待されます。 (2013年8月)

ベーカー街に延々と並ぶ入館待ちの行列の先頭。大分並んでやっと入れます。

シャーロック・ホームズのサイン入り名刺(表)

シャーロック・ホームズの名刺(裏)

博物館の入口。右側から入るミュージアム・ショップも併設されている

館内で観光客たちを最初に出迎えるシャーロック・ホームズの胸像

ホームズの愛用したキセルと帽子と虫眼鏡。博物館の人気の記念アイテム

ホームズが顧客と会った居間兼応接室。本当に小説のまま

同、ホームズが嗜んだヴァイオリンなどが置いてある

ホームズ(右)とワトソン(左)

生涯の仇敵、ジェームズ・モリアーティ教授。スイスのライヘンバッハでの格闘に末、滝壺に落ちて死亡したとされたが、ホームズは実は生還している

名作の探偵冒険エピソード『バスカヴィル家の犬』のジオラマ

最寄の地下鉄の「ベーカー街駅」ホームの壁面にデザインされたシャーロック・ホームズ像

同駅の通路壁。小さな模様も全てシャーロック・ホームズ像

地下鉄の「ベーカー街駅を外に出たところに建つシャーロック・ホームズ像

ベーカー街は何の変哲もない普通の通り
※何と、このベーカー街の「シャーロック・ホームズ ミュージアム」の2軒左隣りには、これもファン垂涎の店「ロンドン ビートルズ・ショップ」があり、老若男女のビートルズ・ファンが、シャーロック・ホームズのファンが入場待ちしている長蛇の列をすり抜けてひっきりなしに出入りしています。こんな近くにあったとは。どうりで、ベーカー街は世界からの観光客たちが集まってくるわけですね。
右写真:「シャーロック・ホームズ ミュージアム」の2軒左隣りにある「ロンドン ビートルズ・ショップ」

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