親や子の面影がある北条の五百羅漢さん
  (郷土史にかかる談話 10)
親や子の面影がある北条の五百羅漢さん
 素朴で人間味あふれる野の仏として親しまれている「羅漢さん」。尊敬されるべき修業者、お釈迦様の教えを直伝された弟子たちの修業の姿として、祈願の対象となっています。
 サンスクリット語で「あらはん。阿羅漢」略称して「らかん。羅漢」さん。お釈迦様に付き従っていたお弟子さんの数、お釈迦様が滅っされた後の経典編纂に携わった者の数から500人の羅漢さんが像になり、お寺が建てられています。五百羅漢の像で有名なお寺には、東京都目黒の五百羅漢寺、大分県中津の羅漢寺、埼玉県川越の喜多院、京都市伏見の愛宕念仏寺、そして、兵庫県加西市の羅漢寺「北条五百羅漢」などなど。
 北条の五百羅漢は、いつ頃に誰が何のために造ったのか、これらを証する史実・資料とも全く伝わっておりません。近接の行基の開基と伝わる酒見寺や住吉神社はともに約1,300年前の奈良時代に創立されています。近傍の高室産の凝灰岩の粗い削りながらかえって実在感あふれる石仏たちで、327体が残っています。
遙かな昔から、身近な拝むべき仏として亡き先霊たちを弔い、戦争や飢饉など不幸な死に到った人を追忌供養して造立されてきたのではないでしょうか。
 地元に伝わる民謡に、「親が見たくば、北条の西の 五百羅漢の堂にござれ・・・・・」とあります。素朴ながら表情豊かな羅漢さんの中に、自分の親や子に似た顔があると言われています。
 いかがでしたか。まだまだ他にも大勢いらっしゃいます。是非一度、会いに行かれてはいかがでしょう。(2010年3月)
※関連ページに
リンクしています。
下記の写真を
クリックして下さい。


昭和の絵葉書
(37)北条五百羅漢

※クリックして下さい。
「郷土史にかかる談話室」メニュー へ戻ります。

※クリックして下さい。
「神戸・兵庫の郷土史Web研究館/郷土史探訪ツーリズム研究所」のトップ・メニューへ戻ります。

当研究館のホームページ内で提供しているテキスト、資史料、写真、グラフィックス、データ等の無断使用を禁じます。