現在、五斗長垣内遺跡の活用に向けて、鍛冶工房建物の復元実験が進められています。兵庫県ヘリテージマネージャや県立考古博物館の指導やノウハウを生かして、県や市、五斗長まちづくり協議会など多くの地元住民の参画によって、材料の収集や確保、柱の組立、屋根葺きなどが行われました。古代の鍛冶工房の大型建物「ごっさ鉄器工房」(直径約11m、高さ約7mの円錐形。外装は茅葺で、内部は火を使って鍛冶体験が可能)も復元され、見学や校外学習の場として活用されます。 当時は、日本での鉄器製造は弥生時代の中期に中国や朝鮮半島から九州へ伝わったとされています。しかし、国内では鉄の素材は自給することができず、主に輸入した材料を加工していたのでないかとも言われています。また、九州から畿内へと政力図が変化して行き、邪馬台国の存在や比定の論議の的になっている時期でもあります。 (左写真:復元された遺跡内最大円形工房、「ごっさ鉄器工房」)
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