A ホテルのカウンターで足元に置いたバッグは
年に数回は香港に来る県内業界団体役員のM氏。ホテルのカウンターでチェックアウトの手続き中のことだった。ショルダーバッグを足元に置いていた。しかし、ここがベテラン。彼はショルダーバッグのベルトを片足に通しておいた。
チェックアウトの確認サインの最中に、足が後ろへぐっと引っ張られ、オートットッ。見れば小柄な男がバッグを掴んで持って行こうとしている。
「こらっ!」と大声。犯人は一目散にホテルの外へ。
B 公衆電話中に足元に置いたアタッシュケース
仲の良い他のA駐在員のケース。日本からのお客様を案内して関係先訪問の途中、お客様が知らないうちに財布をすられてしまったことに気がつき、駐在員が代わってクレジトカードの停止届を立ち寄ったホテルの公衆電話で連絡していた際に、足元に置いたアタッシュケースを置き引きされた。
普段注意怠りない駐在員でも、お客様の被害に動転し、自分の物への警戒が緩んだ隙につけ込まれてしまった。
C ブランドショップでも常時抱えて
香港に来られたお客様O氏を買い物に案内する。お客様はショルダーバッグを足元に置いて買物リストを片手に次々と土産物の品定めと店員との交渉に夢中、店内をあっちこっちにうろうろ。若干不安を感じた私は、そのバッグを手に持つ。全部注文し終えて一段落。そこでハッとバッグに気づいてあわててきょろきょろ。私の手に提げたバッグを見つけて、O氏、顔面蒼白から安堵へ。
これがよく被害に遭う一番危ないケース。
A イミグレ行列では緊張するけれども
駐在1年未満のまだ駆け出し駐在員C氏のこと。香港と国境を接する中国広東省の深せん(土へんに川)市、経済特区としての発展で、香港とは国と国と言うよりも、100万人都市間の往来が毎日続いている。国境の混雑は、一言で言うならば、改札制限をされている通勤ラッシュのターミナル駅を想像していただければ良い。
B エレベータでぎゅうぎゅう詰めの時
女性のハンドバックのケース。これは駐在員夫人D女史の被害。駐在員夫人の仲間3人で日系デパートへ買い物と上階レストランでの昼食後、リフト(エレベータ)で1階へ。エレベータ・ホールすぐ外の通りに出て、ハンドバックの口が開いているのに気がつき、中をあらためたら財布が無くなっていた。 リフトの中で隣に立った男性がごそごそしていた様で、ほんの一瞬の油断。