兵庫の伝統的工芸品、その沿革と特徴(歴史)・・・2016年版

  兵庫県内には優れた伝統的技術による手づくりの工芸品が今も数多くつくられています。国または県指定の伝統的工芸品は、いずれも古くから郷土の自然と暮らしの中ではぐくまれ、「用」と「美」を兼ね備えた味わいのある生活用品として今日まで受け継がれてきたものです。
 その沿革と特徴(歴史)です。

※『兵庫県の伝統的工芸品の紹介』2016年版(平成28年8月 兵庫県産業労働部産業振興局工業振興課)を参照。
国指定

伝統的
工芸品
 国においては、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づき、経済産業大臣(旧通商産業大臣)が伝統的工芸品を指定しています。その数は、平成26年11月現在219品目であり、兵庫県では「播州そろばん」や「丹波立杭焼」など、7品目が指定されています。
 また、同法に基づき、伝統的工芸品産業の振興を図る中核的機関として「一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会」が設置されています。この協会は、一般消費者、生活者に伝統的工芸品を正しく理解していただくことを目的として、全国の伝統的工芸品産業の振興事業を行っています。


播州そろばん
 もともと滋賀県の大津地方に始まったそろばんの製造が、天正年間(1573〜1591)に現在の小野市周辺に伝わった。
 玉には柘植(つげ)や樺(かば)、軸に煤竹(すすたけ)、枠には黒檀を使用し、伝統的な技術を注いで作られる播州そろばんは、その精妙な使い心地に定評がある。昭和51年6月2日指定。
(企業数29、従業者数35人、生産額120百万円)
●播州算盤工芸品協同組合
  〒675-1372 小野市本町600    TEL 0794-62-2108
丹波立杭焼
 瀬戸、常滑、信楽、備前、越前と並んで日本六古窯の一つに数えられ、その起源は平安時代末期までさかのぼる。
 日本では珍しい「登窯」(蛇窯)と呼ばれる窯で焼かれ、素朴さを感じさせる日用雑器を中心に、高い人気を誇っている。昭和53年2月6日指定。
(企業数60、従業者数178人、生産金額757百万円)
● 丹波立杭陶磁器協同組合
  〒669-2135 篠山市今田町上立杭3  TEL 0795-97-2034
出石焼
 出石焼の創始は古く、垂仁天皇の時代といわれているが、磁器として出石焼が焼かれたのは江戸時代に入ってからである。
 絹の肌を思わせる「白磁」出石焼は、清楚な風情をもち、優雅で気品にあふれ、その彫刻も素地の白を一層引き立たせている。昭和55年3月3日指定。
(企業数6、従業者数10人、生産金額34百万円)
●出石焼陶友会(NPO法人 但馬國出石観光協会内)
  〒668-0214 豊岡市出石町内町104-7  TEL 0796-52-4806
播州毛鉤
 播州毛鉤の由来は、天保年間(1830〜1843)に地元の行商人が京都より持ち帰りその製法を広めたことによるといわれている。
 虫に似せて作る毛鉤は、わずか1p足らずの鉤に数種類の鳥の羽を絹糸で巻き付け、金ぱく、漆等を使用して、見事に仕上げられます。昭和62年4月18日指定。
●播州釣針協同組合
  〒677-0015 西脇市西脇990  TEL 0795-22-3901
豊岡杞柳細工
 豊岡杞柳細工は円山川に自生するコリヤナギで籠を編むことから始まり、城下町を形成した豊臣時代、産業として成立した。
 江戸時代、藩が保護奨励し、専売制を確立して「豊岡の柳行李」として世に知られるようになった。
 最近では、ファッションの多様化により、バスケット類が主製品に変わってきている。平成4年10月8日指定。
●兵庫県杞柳製品協同組合
  〒668-0801 豊岡市赤石1362  TEL 0796-23-3821
播州三木打刃物
 播州三木打刃物は、天正8年(1580)の三木城落城の後、まちの復興のために各地から大工職人が集まり、それに伴って道具を作る鍛冶職人も多く集まったことから発展したといわれている。
 現在も鋸(のこ)、鑿(のみ)、鉋(かんな)、鏝(こて)小刀の製造において手作りの技を守り続けている。平成8年4月8日指定。
●三木工業協同組合
  〒673-0431 三木市本町2-1-18  TEL 0794-82-3154
大阪唐木指物
 大阪唐木指物とは、東南アジアを主産地とする紫檀、黒壇、花梨など(唐木)を使用した茶棚、座敷机、花台などの様々な道具のことを指す。
 江戸時代、唐木を扱う商人や職人が大阪に集まったことで一大産地が形成され、技法が確立されたと考えられている。現在では、大阪府を中心に兵庫県(淡路市、姫路市)、福井県、奈良県、和歌山県で製造されている。
 現在も伝統的な技術・技法を用いて、現代の生活様式にあうように工夫、改良され、多くの人々に親しまれてる。昭和52年10月14日指定。
●大阪唐木指物協同組合
 〒540-0011 大阪市中央区農人橋2-1-31-628  TEL:06-6942-6651
 
兵庫県指定

伝統的
工芸品
 兵庫県内には、国指定伝統的工芸品と同様に、長い歴史と地域の風土に培われ、洗練された工芸品が数多くあり、人々の生活の中で愛用されています。
 兵庫県では、平成4年度に兵庫県伝統的工芸品指定制度を創設し、平成27年7月現在、26品目を指定し、このような工芸品の振興を図っています。
【指定の対象】
兵庫県伝統的工芸品として指定を受けるには、県内で製造された工芸品で次の要件を満たしていることが必要です。
@日常生活の用に供されていること。
A製造工程の主要部分が手工業的であること。
B伝統的な技術技法により製造されていること。
C主たる原材料が、伝統的に使用されているものであること。
有馬の人形筆
 有馬の人形筆の起源は、室町時代であるといわれています。
 文字を書こうと筆を持つと、筆の尻から可愛い人形が飛び出すからくり細工と、絹糸を巻いて美しい模様を筆の柄につけるのが特徴です。
 昭和45年の万国博覧会で地方民芸館に出展し、入選作品となったことから光明を得ました。軸の模様も多種類に及び、子宝の引き出物として、あるいは有馬温泉の土産物としても大変喜ばれています。
 主な製品は、人形筆。
●灰吹屋西田筆店
  〒651-1401 神戸市北区有馬町1160  TEL 078-904-0761
有馬籠
 伐採した竹を細かい手作業で竹ひごにし、様々な編み組みにより容器等を編んでいく有馬籠の歴史は、16世紀桃山時代に始まるといわれています。
 明治時代には、ウィーン万博に出品されました。また、第2次世界大戦までは隆盛を極め、九州別府にも有馬から職人が出向き、技術を伝えたといわれています。
 茶華道向けの高価な籠から、私たちの生活になじみ深い果物盛器など多様な籠が作られています。
 主な製品は、花入れ、装飾品、日用品。
●(有)竹芸有馬籠くつわ
  〒651-1401 神戸市北区有馬町1049  TEL 078-904-0364
  ホームページ http://www.arimakago.jp/
兵庫仏壇
 兵庫仏壇は、江戸時代に仏具発祥の地京都において修行した職人がその技術を持ち帰り、京都の下請けとして仏壇を製造したのが始まりといわれています。
 合理化、省力化が進むなかで、今日でも天然の原材料を使い、数多くの工程を経て手作業で作り上げられた製品は、伝統的な技術・技法の結晶ともいえるでしょう。
 主な製品は、仏壇。
●兵庫県宗教用具商工協同組合
  〒675-0032 加古川市加古川町備後299  TEL 0794-21-3000
杉原紙
 兵庫県の中央部多可町で今日でも昔ながらの技術技法ですかれている手すき和紙「杉原紙」の歴史は古く、7世紀後半と推定されており、杉原紙の前身である「播磨紙」は奈良時代、日本一といわれていました。当時は、祝儀贈答の品物として珍重され、奈良時代は写経用、鎌倉時代は幕府の公用紙に用いられました。室町時代の中ごろからは一般にも使われるようになり、証書や手紙などの大切な紙として愛用され、江戸時代には浮世絵・版画にも用いられていました。
大正末にいったん途絶えましたが、昭和45年に昔ながらの技術技法が再現され、今日では書道用和紙やカラフルな民芸紙類をすいており、多くの愛好家の間で好評を博しています。
 主な製品は、書道・版画・民芸紙類。
●多可町立杉原紙研究所
  〒679-1322 多可郡多可町加美区鳥羽768-46  TEL 0795-36-0080
  ホームページ http://www.town.taka.lg.jp/sugiharagami/
明珍火箸
 明珍火箸は19世紀のはじめ、甲冑師がその技術を生かして火箸を作ったのが始まりです。火箸の型は、20種類程あり、現在代表的なものはツクシ型、ツヅミ型、ワラビ型、カワクギ型の4種類です。
 最近では、火箸を利用して風鈴が作られていますが、火箸が触れ合ったときに奏でる澄みわたった音色は、日本的な風流を兼ね備えた逸品です。
 主な製品は、玉鋼火箸、風鈴、鍛鉄花器、仏具(鈴)、料理箸。
●明珍火箸本舗
  〒670-0871 姫路市伊伝居上ノ町112  TEL 0792-22-5751
姫革細工
 白くなめした革は、4〜5世紀ごろ姫路地域で始まったといわれています。戦国時代には鮮やかに染色され、様々な甲冑や馬具の装飾に使用されていました。
 その後、技術技法を守り続け、18世紀に入ると、羽織、足袋、財布などの日用品が作られるようになり、現在ではブックカバー、ハンドバッグ、札入れ、がまぐちなど用途も多様化し、広く愛用されています。
※平成28年4月名称変更(変更前:姫革白なめし革細工)
● (有)キャッスルレザー
   〒671-2116 姫路市夢前町寺1369-6
城綺麦わら細工
 細かい手作業により美しい模様を作り出す城崎麦わら細工は、江戸時代享保年間(1716〜1735)に因州(現在の鳥取県)の住人「半七」という者が城崎に湯治に来ている間、宿賃の足しにと麦わらを色とりどりに染めて、こま、竹笛などの玩具にはり付け、浴客の土産としたのが始まりで、売れ行きも良かったため糸巻き、指輪等新しいものが考案されたといわれています。
 今日では、その模様は精巧豊麗な小筋模様のほか花鳥、山水図等もあり、他に類を見ない伝統的工芸品としてその独特の持ち味は高く評価されています。
 主な製品は、文庫、小物入れ、菓子器、びんしき、絵葉書、色紙、指輪、絵皿、短冊、土鈴、竹とんぼ、こま、しおり。
●城崎麦わら細工振興協議会
  〒669-6101 豊岡市城崎町湯島357-1、城崎文芸館内
  TEL 0796-32-2575
丹波布
 江戸時代末期に始まる丹波布は、明治末ごろまでは「佐治木綿」と呼ばれ、綿から紡いだ手紡ぎ糸を縦横に用い、屑まゆから採った「つまみ糸」を横糸に交織させるため、通常の木綿布と風合いが異なっています。
 藍、栗の皮、こぶな草などの植物染料を用いて染め上げた糸が織りなす縞や格子柄は、素朴な温かさを伝えてくれます。
丹波布は綿から糸を紡ぎ、手織りばたで織り上げるのが特徴で、現在ではこのような織物は織物は非常に珍しい存在となっています。
 主な製品は、帯、着尺。
●丹波布技術保存会
  〒669-3811丹波市青垣町佐治114、丹波市青垣支所内
  TEL 0795-87-0363
●丹波布伝承館
  〒669-3803 丹波市青垣町西芦田541-1  TEL 0795-80-5100
  ホームページ(丹波市教育委員会) http://edu.city.tanba.hyogo.jp
 
名塩紙
 名塩紙は、西宮の北部、武庫川上流、名塩川に沿った名塩の里に、越前から抄紙技術が伝わったことから始まったといわれています。
 雁皮に名塩周辺から取れる泥土を混入して漉くという技法により、シミができにくく、変色しないという特長があり、江戸時代には日焼けせず長期保存に耐えることができるため、藩札の地紙、高級な襖や屏風の上張り、下張り用として需要が多く、名塩は「名塩千軒」と称されるほどの繁盛ぶりでした。
 現在では、箔打ち原紙、生漉間似合紙が主な製品であり、独自の技法を守り続けています。
 主な製品は、箔打ち原紙、生漉間似合紙、間似合紙、名塩鳥の子紙。
●馬場和比呂
  〒669-1147 西宮市名塩1-21-18  TEL 0797-61-2086
●谷徳製紙所
  〒669-1147 西宮市名塩2-2-23  TEL 0797-61-0224
●八木米太朗
  〒669-1147 西宮市名塩2-2-6   TEL 0797-61-0633
美吉籠
 吉川町では、古くから農業の副業として竹籠が作られていましたが、明治18年戸田甚之介が竹細工土産品を創作し、有馬湯治客に販売したのが始まりです。
 その独自の編目模様は、正倉院の宝物のなかに収蔵されている華籠の技法を研究したもので、主原材料の竹は、吉川町から産出される苦竹と淡竹のみを使用しています。その横編み技法は、「二本とび網代編み」とよばれ、全国的にも珍しい独特の技法です。
 主な製品は、花器、果物籠。
●戸田竹芸店
  〒973-1107 三木市吉川町有安282  TEL 0794-73-0008
赤穂雲火焼
 江戸時代後期に始まる赤穂雲火焼は、大嶋黄谷により創出されたもので、陶土不明、焼成方法不明の幻の焼き物とされていました。
 象牙色の陶肌に黒色を加味した赤く燃え上がるような夕焼け雲を連想させる独特の紋様が特徴で、昭和54年ごろから復元の取り組みがなされ、さまざまな苦心の末、昭和57年には復元に成功し、現在では、赤穂の新しい郷土工芸品として親しまれています。
 主な製品は、花器、茶器、陶板、香炉。
●赤穂瀬戸内窯
  〒678-0215 赤穂市御崎634-1  TEL 0791-43-8080
  ホームページ http://www.unkayaki.com/
しらさぎ染
 播磨地方の藍染物の歴史は古く、奈良時代より飾磨の褐染として有名でした。羽柴秀吉が天正5年(1577)に播磨を平定し、安土城の織田信長に謁するときにも献上されたと伝えられています。
 江戸時代には、姫路藩が藍製造を藩業として奨励したこともあり、藍染物の生産は大いに栄えました。その後、明治時代に途絶えてしまいましたが、伝統の藍染めに播磨のシンボル姫路城を図柄に取り入れ、昭和44年にしらさぎ染として復活しました。
 主な製品は、のれん、浴衣、手拭い、テーブルセンター、タペストリー、ランチョンマット。
●しらさぎ染 まる正
  〒670-0902 姫路市北新在家1-9-12  TEL 079-296-2722
姫路仏壇
 姫路で仏壇が作られるようになったのは江戸時代のことです。姫路地方には仏壇を立派に、そして大切にするという風土があり、これを背景に仏壇制作が盛んになりました。
 姫路仏壇は比較的大型が多く、外観は豪華、絢爛、重厚という特徴があり、これは偉容を誇る姫路城ともイメージが重なります。
 主な製品は、仏壇、寺院仏具。
●姫路仏壇組合
  〒670-0996 姫路市土山3-3-40、浜屋轄H場内  TEL 079-293-2211
和ろうそく
 その源を江戸時代にまでさかのぼる「和ろうそく」は当初、姫路藩の藩業として製造されていました。指定を受けた松本商店も明治10年ごろに姫路城下の製造業者から分家し、その後、大阪の福島で製造を始め、戦後は西宮に移ったものです。
 現在3代目の松本純男氏と4代目の松本恭和氏を中心に寺院の灯明用や家庭用等20数種類の製品を製造しています。
 主な製品は、小丸ろうそく、百匁、絵ろうそく。
●松本商店
  〒663-8215 西宮市今津水波町11-3  TEL 0798-36-6021
  ホームページ http://www.warosoku.com
姫路独楽
 幕末から明治初期に興ったとされる姫路の独楽は、昭和初期の段階でも5、6業者が製造に携わっていたのみで当初からさほど製造業者は多くありませんでしたが、販路は玩具問屋を通じて播州一円だけでなく、西日本各地にまで広がっていました。
 現在、生産に携わっているのは西澤昌三氏のみで後継者難ですが、優れた伝統的技法の継承、新製品の開発にも積極的に取り組んでいます。
 主な製品は、飾りコマ、源水コマ、五色コマ、糸引コマ、文七コマ。
●西澤昌三
  〒671-2221 姫路市青山北3-28-17  TEL 079-266-0032
姫路張子玩具
 張子は、ハリボテともいい、和紙を張り重ねて作るもので、室町時代に中国から伝来したと言われています。江戸時代になって反故紙(不要になった和紙)が豊富だった城下町で全国的に張子の人形や玩具が作られるようになり、姫路において興ったのは明治初期と伝えられています。
 創始者は豊岡(豊国屋)直七と言われており、姫路張子玩具の伝統を今に伝える松尾隆氏は、直七から4代目にあたり、子息と二人三脚で伝統産業を守り続けています。
 主な製品は、張子の虎、鉢巻達磨、面、ミニ面、獅子頭、干支。
●松尾 哲(松尾張子玩具製作所)
  〒679-2153 姫路市香寺町田野1042-21  TEL 079-232-7762
王地山焼
 王地山焼の起源は、江戸時代末期の文政元年(1818)にさかのぼり、当時の篠山藩主・青山忠裕が王地山(篠山市河原町)の地に、京焼の陶工・欽古堂亀祐を招いて始めた藩窯がその発祥といわれています。当時は煎茶趣味の背景のなかで、中国風の青磁、染め付け、赤絵を主とした磁器窯でした。
 築窯時期から、王地山陶器所として名声を博しましたが、藩の廃止とともに明治2年に廃窯となって以来、その伝統が途絶えていました。
現在の王地山陶器所は、篠山市が昭和63年に再興したもので、現在は第三セクターにより運営され、市職員による技術指導が行われるなど、当時の技法を現代に再現しています。
 主な製品は、食器、湯呑、花生、水指。
●第三セクター(有)クリエイトささやま(王子山陶器所)
  〒669-2325 篠山市河原町431  TEL 0795-52-5888
丹波木綿
 丹波地域では、宝永年間(1704〜1710)頃に良質の綿が盛んに生産され、手織りの木綿が製造されていました。しかし、明治以降、機械化による大量生産が進み、家庭では手織り木綿も作られていたものの、産業としては徐々に衰退していきました。
 戦後に至っては、家庭内においてもほとんど木綿を手織りすることは無くなりましたが、昭和49年にそれを惜しむ人々が集まり、昔ながらの製法による手織り木綿を復活し、現在に至っています。
 主な製品は、テーブルセンター、コースター、スカーフ、着尺、帯(名古屋・男帯・半巾帯)、カードケース、ブックカバー。
●西紀丹波木綿保存会
  〒669-2711 篠山市栗柄、創作館  TEL 0795-93-0922
三田鈴鹿竹器
 鈴鹿竹器は、良質な竹を求めて訪れた四国讃岐の竹細工職人が技術を伝えたのが起こりといわれ、江戸時代中期より広く名が知られるようになりました。
 当時は農家の副業として民具、農具を中心に製作されていましたが、大正の頃から専業の地場産業として急成長し、大正時代後期に輩出した高田四郎左衛門によってアメリカに市場を開拓してからは、輸出用の花籠や屑籠も製作されるようになりました。
 最盛期の昭和30年ごろには全戸数の約4分の1にあたる15〜16軒が数人の職人を抱えて竹器製作に従事していましたが、昭和30年代後半からビニールやプラスチックの籠の出現に加え安価な中国製品の進出により、次々と廃業していきました。
 現在では、4代目にあたる植田一彦(竹仁斎)のみが伝統を守り続けています。
 主な製品は、花瓶、花かご、果物盛りかご、買い物かご、くずかご入れ、農作物入れ等。
●鈴鹿竹器組合
  〒669-1417 三田市鈴鹿264  TEL 079-569-0029
播州鎌
 播州鎌は、明治維新ごろ、一柳藩のお抱え刀鍛冶であった藤原伊助が剃刀の製法を応用して打ち始めたのが起こりで、一名剃刀鎌ともいわれます。切れ味がよく、軽く、研ぎやすいのが好評で、阪神間に近接する地の利もあり、国内他産地が衰退していくなか、発展を続けました。
 現在も小野市を中心として東播磨地域の多くの事業所が生産を行っており、当地での主要な地場産業となっています。
 主な製品は、草刈用鎌、枝打ち用鎌、稲刈用鎌。
●小野金物商工協同組合連合会
  〒675-1395 小野市王子町800-1  TEL 0794-62-7790
播州山崎藍染織
 宍粟市をはじめ播州地域では古くから藍作りが行われていましたが、江戸時代に阿波徳島藩主蜂須賀家政が播州から藍を移植し、阿波藍が発展するようになりました。山崎町も昭和初期まで紺屋が多数あり、川戸縞と呼ばれる木綿縞をはじめとする藍染織が織られていましたが、その後いったん途絶えました。
 昭和53年から正木国枝氏が当地での藍染織復活に取り組み、多年の努力により、現在では着物やテーブルセンター等、本藍による製品作りに成功しています。
 主な製品は反物、テーブルセンター、暖簾、コースター、タペストリー、服地。
●正木俊雄
  〒671-2552 宍粟市山崎町段132  TEL 0790-62-1664
淡路鬼瓦
 淡路瓦の起源は、藤原京時代(694〜710)の窯跡の出土により、約1,300年前といわれています。
 江戸時代初期の慶長18年(1613)に池田輝政の三男忠雄が領主となって洲本市由良で成山城を新築しました。このとき忠雄は明石から清水理兵衛という瓦職人を招いて瓦を焼かせています。
 またこの十数年後、寛永年間(1624〜43)に西淡町津井地区で法華宗本山尼崎本興寺の貧困救済のために瓦製造を始めています。これが近世の淡路瓦の始まりといわれています。
 一つ一つ手作りの鬼瓦は、装飾的な屋根材としてだけでなく、置物としても大変素晴らしいものです。
 主な製品は、装飾用瓦。
●(株)タツミ
  〒656-0341 南あわじ市津井976  TEL 0799-38-0309
  ホームページ http://www.tatsumi-oni.co.jp
●(株)ミハラ
  〒669-0341 南あわじ市津井1875  TEL 0799-38-0083
  ホームページ http://www.ibusiyaki.com/
●亀井製瓦所
  〒656-0313 南あわじ市松帆志知川573  TEL 0799-36-2365
赤穂緞通
 児島なかが、嘉永2年(1849年)に創始した赤穂緞通は、鍋島緞通(佐賀県)、堺緞通(大阪府)と並び日本三大緞通と呼ばれており、紋様が非常に際だっていることが大きな特徴であり、明治から大正にかけて隆盛を誇りました。
 昭和期には一旦途絶えましたが、阪口キリヱを講師に迎えた「赤穂緞通織方技法講習会」の1期生、2期生が平成11年に「赤穂緞通を伝承する会」を立ち上げ、個人宅で生産活動を行なう「赤穂緞通生産者の会」と共に技術の保存及び伝承に取り組んでいます。平成19年3月30日指定。
 主な製品は、敷物、インテリア小物。
●赤穂緞通を伝承する会
  〒678-0239 赤穂市加里屋2073-4  TEL 0791-45-0606
●赤穂緞通生産者の会
  〒678-0258 赤穂市古浜町119  TEL 0791-45-0025

稲畑人形
 赤井若太郎忠常が、弘化3年(1846年)に創始した稲畑人形は、伏見の流れを汲み、きめが細かく粘り強い良質の土粘土を原料とした素朴で親しみのある土人形です。
 現在は5代目赤井君江が伝統技術を継いでおり、人形製作教室を開催するなどして、技術の保存及び伝承に取り組んでいます。平成19年3月30日指定。
 主な製品は、天神もの、武者もの・昔話、歴史歌舞伎もの、女もの、金時もの、福神もの、童子もの(まんじゅうくい)、小物など。
●稲畑人形香陽館
  〒669-3581 丹波市氷上町稲畑876-2  TEL 0795-82-4745

皆田和紙
 皆田和紙(かいだわし)は、佐用郡佐用町皆田地区を中心に製造されていた、厚手で破れにくいことが特徴である和紙です。発祥等は定かではありませんが、室町時代の文献に皆田和紙についての記述があり、当時から屏風や障子紙として重宝されていたことがわかっています。昭和43年に生産が途絶えたものの、昭和45年に復活し、再度生産が始まりました。
 現在は、便箋や団扇、行燈など様々な製品が製造されており、佐用町の貴重な伝統産業として地域の人々に親しまれています。平成27年3月27日指定。
●皆田和紙保存会
〒679-5523 佐用郡佐用町上月373
Tel:0790-86-1616(上月歴史資料館)
姫路白なめし革細工
 白なめし革は、戦国時代末期から安土桃山時代にかけては馬具や鎧の材料として使用され、「播磨の白なめし革」として全国に知れ渡っていました。
 その後、江戸時代に参勤交代で江戸に向かう西国諸大名の本陣が置かれた室津(揖保郡御津町)で、たばこ入れなど繊細は「細工物」が作られるようになったのが、白なめし革細工の本格的な生産の始まりといわれています。
 ただし、現在は製造されていません。
※資料および写真は、兵庫県産業労働部産業振興局工業振興課と(公社)兵庫県物産協会等から提供いただきました。
※「地場産業」のページにLINKしています。下の写真をクリックして下さい。

兵庫県の地場産業
(平成29年・2018年版)
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