兵庫の伝統的工芸品、その沿革と特徴(歴史)
 ・・・2022年版

  兵庫県内には優れた伝統的技術による手づくりの工芸品が今も数多くつくられています。国または県指定の伝統的工芸品は、いずれも古くから郷土の自然と暮らしの中ではぐくまれ、「用」と「美」を兼ね備えた味わいのある生活用品として今日まで受け継がれてきたものです。
 その沿革と特徴(歴史)です。

※『兵庫県の伝統的工芸品の紹介』2022年版(兵庫県産業労働部地域産業立地課)を参照。
国指定

伝統的
工芸品
 国においては、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づき、経済産業大臣が伝統的工芸品を指定しています。その数は、令和4年11月16日現在240品目であり、兵庫県内で製造されている工芸品は「播州そろばん」や「丹波立杭焼」など、7品目あります。

 また同法に基づき、伝統的工芸品産業の振興を図る中核的機関として「一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会」が設置されています。この協会は、一般消費者、生活者に伝統的工芸品を正しく理解していただくことを目的として、全国の伝統的工芸品産業の振興事業を行っています。



播州そろばん
 もともと滋賀県の大津地方に始まったそろばんの製造が、天正年間(1573〜1591)に現在の小野市周辺に伝わりました。
 玉には柘植(つげ)や樺(かば)、軸に煤竹(すすたけ)、枠には黒檀を使用し、伝統的な技術を注いで作られる播州そろばんは、その精妙な使い心地に定評があります。
昭和51年6月2日指定。
(令和3年数値:企業数13、生産70、000丁、生産額75百万円)

●播州算盤工芸品協同組合
  〒675-1372 小野市本町600    TEL 079-462-2108
   FAX:079-462-2109
  ホームページ http://banshusoroban.com(外部サイトへリンク)
丹波立杭焼
 瀬戸、常滑、信楽、備前、越前と並んで日本六古窯の一つに数えられ、その起源は平安時代末期までさかのぼります。
 日本では珍しい「登窯」(蛇窯)と呼ばれる窯で焼かれ、素朴さを感じさせる日用雑器を中心に、高い人気を誇っています。
昭和53年2月6日指定。
(令和3年数値:企業数57)

● 丹波立杭陶磁器協同組合
  〒669-2135 篠山市今田町上立杭3  TEL 0795-97-2034  FAX:0795-97-3232
出石焼
 出石焼の創始は古く、垂仁天皇の時代といわれていますが、磁器として出石焼が焼かれたのは江戸時代に入ってからです。
 絹の肌を思わせる「白磁」出石焼は、清楚な風情をもち、優雅で気品にあふれ、その彫刻も素地の白を一層引き立たせています。
昭和55年3月3日指定。
(令和3年数値:企業数3、生産24,000個、生産金額26百万円)

●出石焼陶友会(NPO法人 但馬國出石観光協会内)
  〒668-0214 豊岡市出石町内町104-7  TEL 0796-52-4806
播州毛鉤
 播州毛鉤の由来は、天保年間(1830〜1843)に地元の行商人が京都より持ち帰りその製法を広めたことによるといわれています。
 虫に似せて作る毛鉤は、わずか1cm足らずの鉤に数種類の鳥の羽を絹糸で巻き付け、金ぱく、漆等を使用して、見事に仕上げられます。
昭和62年4月18日指定。

●播州釣針協同組合
  〒677-0015 西脇市西脇990  TEL 0795-22-3901
  FAX:0795-22-8739
豊岡杞柳細工
 豊岡杞柳細工は円山川に自生するコリヤナギでかごを編むことから始まり、城下町を形成した豊臣時代に産業として成立しました。
 江戸時代、藩が保護奨励し、専売制を確立して「豊岡の柳行李」として世に知られるようになりました。
 最近では、ファッションの多様化により、手提げかご類が主製品に変わってきています。
平成4年10月8日指定。

●兵庫県杞柳製品協同組合(玄武洞ミュージアム内)
  〒668-0801 豊岡市赤石1362  TEL 0796-23-3821  FAX:0796-24-0913
播州三木打刃物
 播州三木打刃物は、天正8年(1580)の三木城落城の後、まちの復興のために各地から大工職人が集まり、それに伴って道具を作る鍛冶職人も多く集まったことから発展したといわれています。
 現在も鋸、鑿、鉋、鏝、小刀の製造において手作りの技を守り続けています。
平成8年4月8日指定。

●三木工業協同組合
  〒673-0431 三木市本町2-1-18  TEL 0794-82-3154  FAX:079-482-3188
大阪唐木指物
 大阪唐木指物とは、東南アジアを主産地とする紫檀、黒壇、花梨など(唐木)を使用した茶棚、座敷机、花台などの様々な道具のことを指します。
 江戸時代、唐木を扱う商人や職人が大阪に集まったことで一大産地が形成され、技法が確立されたと考えられています。現在では、大阪府を中心に兵庫県(淡路市)、福井県、奈良県、和歌山県で製造されています。
 現在も伝統的な技術・技法を用いて、現代の生活様式にあうように工夫、改良され、多くの人々に親しまれています。
昭和52年10月14日指定。
※大阪唐木指物は製造地域が広域(兵庫県、大阪府、福井県、奈良県、和歌山県)にわたる工芸品です。

●大阪唐木指物組合
 〒544-0015 大阪市生野区巽南1-8-25   電話:06-6752-9412 FAX:06-6752-9412
 
兵庫県指定

伝統的
工芸品
 兵庫県内には、国指定伝統的工芸品と同様に、長い歴史と地域の風土に培われ、洗練された工芸品が数多くあり、人々の生活の中で愛用されています。
 兵庫県では、平成4年度に兵庫県伝統的工芸品指定制度を創設し、平成27年7月現在、26品目を指定し、このような工芸品の振興を図っています。
【指定の対象】
兵庫県伝統的工芸品として指定を受けるには、県内で製造された工芸品で次の要件を満たしていることが必要です。
@日常生活の用に供されていること。
A製造工程の主要部分が手工業的であること。
B伝統的な技術技法により製造されていること。
C主たる原材料が、伝統的に使用されているものであること。
有馬の人形筆
  有馬の人形筆の起源は、室町時代であるといわれています。
 文字を書こうと筆を持つと、筆の尻から可愛い人形が飛び出すからくり細工と、絹糸を巻いて美しい模様を筆の柄につけるのが特徴です。
 昭和45年(1970年)の万国博覧会で地方民芸館に出展し、入選作品となったことから光明を得ました。軸の模様も多種類に及び、子宝の引き出物として、あるいは有馬温泉の土産物としても大変喜ばれています。
指定年月日 平成5年3月19日

●灰吹屋西田筆店
  〒651-1401 神戸市北区有馬町1160
有馬籠
 兵庫県六甲山系で伐採した良質な竹を細やかな手仕事で竹籤(たけひご)にし、様々な編み組み技法により花籠や器などを編み上げる有馬籠の歴史は、16世紀安土桃山時代に始まると伝えられています。
 明治6年(1873年)には、ウィーン万博に出品され、優秀賞を受賞しました。また、大正時代には隆盛を極め、現在竹工芸が盛んな九州別府へ有馬籠の職人が出向き、その技術を伝えたといわれています。
 その後、第二次世界大戦の影響により、従事者と職人が著しく減少したことにより次第に衰退しました。現在では、1社のみが古くより伝わる有馬籠の伝統技法を継承しており、茶華道御家元お好み品はもちろん、私たちの生活になじみ深い食事箸やカトラリー、整理籠、洗い物籠などなど多様な籠が製作されています。
指定年月日 平成5年(1993年)3月19日

●株式会社くつわ
  〒651-1401 神戸市北区有馬町1049  TEL 078-904-0364
  電話:078-904-6210(代表)   FAX:078-904-2453 
  ホームページ https://kutsuwacorp.com(外部サイトへリンク)
  有馬籠 公式サイト https://arimakago.jp(外部サイトへリンク)
兵庫仏壇
 兵庫仏壇は、江戸時代に仏具発祥の地京都において修行した職人がその技術を持ち帰り、京都の下請けとして仏壇を製造したのが始まりといわれています。
 合理化、省力化が進むなかで、今日でも天然の原材料を使い、数多くの工程を経て手作業で作り上げられた製品は、伝統的な技術・技法の結晶ともいえるでしょう。
指定年月日 平成5年3月19日

●兵庫県宗教用具商工協同組合
  〒675-0032 加古川市加古川町備後299  TEL 0794-21-3000
杉原紙
 兵庫県の中央部多可町で今日でも昔ながらの技術技法ですかれている手すき和紙「杉原紙」は、奈良時代の「播磨紙の系統を引く和紙と推定されています。かつては日本で1、2位を競うほどの生産量を誇っていました。当時は、祝儀贈答の品物として珍重され、鎌倉時代には幕府の公用紙に用いられました。室町時代の中ごろからは一般にも使われるようになり、証書や手紙などの大切な紙として愛用され、江戸時代には浮世絵・版画にも用いられていました。
 大正末にいったん途絶えましたが、昭和45年(1970年)に昔ながらの技術技法が再現され、今日では書道用和紙やカラフルな民芸紙類をすいており、多くの愛好家の間で好評を博しています。
指定年月日 平成5年(1993年)3月19日

●多可町立杉原紙研究所
  〒679-1322 多可郡多可町加美区鳥羽768-46  TEL 0795-36-0080
  FAX 0795-36-0080
  ホームページ https://sugiharagami.takacho.net/(外部サイトへリンク)
明珍火箸
 明珍火箸は、平安末期より甲冑師の流れを汲む明珍家が、明治時代に甲冑鍛冶の技術を生かして火箸を制作したのが始まりです。火箸の触れ合ったときは、綺麗な音色が生まれ、澄んだ余韻が響き渡ります。炭を掴む実用の火箸の需要が減った現在は、その音色を生かした4本組の火箸風鈴やドアチャイム火箸を制作しています。また、楽器としても幅広く使用されています。
指定年月日 平成5年(1993年)3月19日

●明珍火箸本舗
  連絡先 〒670-0871 姫路市伊伝居上ノ町112
  電話 079-222-5751   FAX:079-222-5752
  ホームページ:https://myochinhonpo.jp/(外部サイトへリンク)
姫革細工
 1,000年以上の歴史のある白革なめしは、戦国時代に甲冑や馬具として使われてきました。時代の変化により350年前に草履や財布などが作られ「姫革細工」が誕生しました。最後の1社になった私たちはSDGsを意識しながら時代に合わせた商品作りを心がけています。
 体験教室も行っています。
指定年月日 平成5年(1993年)3月19日
平成28年(2016年)4月名称変更(変更前:姫革白なめし革細工)

● (有)キャッスルレザー
   〒671-2116 姫路市夢前町寺1369-6   TEL 079-335-2421
  ホームページ http://www.castle7.com/(外部サイトへリンク)
   Mail info@castle7.com
城綺麦わら細工
 細かい手作業により美しい模様を作り出す城崎麦わら細工は、江戸時代享保年間(1716〜1735)に因州(現在の鳥取県)の住人「半七」という者が城崎に湯治に来ている間、宿賃の足しにと麦わらを色とりどりに染めて、こま、竹笛などの玩具にはり付け、浴客の土産としたのが始まりで、売れ行きも良かったため糸巻き、指輪等新しいものが考案されたといわれています。
 今日では、その模様は精巧豊麗な小筋模様のほか花鳥、山水図等もあり、他に類を見ない伝統的工芸品としてその独特の持ち味は高く評価されています。
指定年月日 平成5年3月19日

●城崎麦わら細工振興協議会
  〒669-6101 豊岡市城崎町湯島357-1、城崎文芸館内
  TEL 0796-32-2575
  FAX:0796-32-3005
丹波布
 江戸時代末期に始まる丹波布は、明治末ごろまでは「佐治木綿」と呼ばれ、綿から紡いだ手紡ぎ糸を縦横に用い、屑まゆから採った「つまみ糸」を横糸に交織させるため、通常の木綿布と風合いが異なっています。
 藍、栗の皮、こぶな草などの植物染料を用いて染め上げた糸が織りなす縞や格子柄は、素朴な温かさを伝えてくれます。
 丹波布は綿から糸を紡ぎ、手織りばたで織り上げるのが特徴で、現在ではこのような織物は非常に珍しい存在となっています。
指定年月日 平成5年3月19日

●丹波布技術保存会
連絡先: 丹波布伝承館
〒669-3803 丹波市青垣町西芦田541-1
電話:0795-80-5100 FAX:0795-80-5100
名塩紙
  名塩紙は、西宮の北部、武庫川上流、名塩川に沿った名塩の里に、越前から抄紙技術が伝わったことから始まったといわれています。
 雁皮に名塩周辺から取れる泥土を混入して漉くという技法により、シミができにくく、変色しないという特長があり、江戸時代には日焼けせず長期保存に耐えることができるため、藩札の地紙、高級な襖や屏風の上張り、下張り用として需要が多く、名塩は「名塩千軒」と称されるほどの繁盛ぶりでした。
 現在では、箔打ち原紙、生漉間似合紙が主な製品であり、独自の技法を守り続けています。
指定年月日 平成5年12月21日

●馬場和比呂
  〒669-1147 西宮市名塩1-21-18  TEL 0797-61-2086  FAX:0797-61-2086
●谷徳製紙所
  〒669-1147 西宮市名塩2-2-23  TEL 0797-61-0224    FAX:0797-61-0224
●八木米太朗
  〒669-1147 西宮市名塩2-2-6   TEL 0797-61-0633
美吉籠
 吉川町では、古くから農業の副業として竹籠が作られていましたが、明治18年戸田甚之介が竹細工土産品を創作し、有馬湯治客に販売したのが始まりです。
 その独自の編目模様は、正倉院の宝物のなかに収蔵されている華籠の技法を研究したもので、主原材料の竹は、吉川町から産出される苦竹と淡竹のみを使用しています。その横編み技法は、「二本とび網代編み」とよばれ、全国的にも珍しい独特の技法です。
指定年月日 平成5年12月21日

●戸田竹芸店
  〒973-1107 三木市吉川町有安282  TEL 0794-73-0008   FAX:0794-73-1437
赤穂雲火焼
  江戸時代後期に始まる赤穂雲火焼は、大嶋黄谷により創出されたもので、陶土不明、焼成方法不明の幻のやきものとされていました。
 象牙色の陶肌に黒色を加味した赤く燃え上がるような夕焼け雲を連想させる独特の紋様が特徴で、昭和54年(1979年)ごろから復元の取り組みがなされ、さまざまな苦心の末、昭和57年(1982年)には復元に成功し、現在では、赤穂の新しい郷土工芸品として親しまれています。
 赤穂雲火焼の窯元に隣接する「雲火焼展示館 桃井ミュージアム」では雲火焼の鑑賞や雲火焼の器で出されたコーヒーやお抹茶等をご賞味して頂けます。
指定年月日 平成6年(1994年)1月19日

●赤穂瀬戸内窯雲火焼展示館 桃井ミュージアム
  連絡先 〒678-0215 赤穂市御崎634-1
  電話 0791-56-9933   FAX 0791-56-9933
  メールアドレス unkayaki@ybb.ne.jp
しらさぎ染
 播磨地方の藍染物の歴史は古く、奈良時代より飾磨の褐染として有名でした。羽柴秀吉が天正5年(1577)に播磨を平定し、安土城の織田信長に謁するときにも献上されたと伝えられています。
 江戸時代には、姫路藩が藍製造を藩業として奨励したこともあり、藍染物の生産は大いに栄えました。その後、明治時代に途絶えてしまいましたが、伝統の藍染めに播磨のシンボル姫路城を図柄に取り入れ、昭和44年にしらさぎ染として復活しました。
指定年月日 平成7年3月24日

●しらさぎ染 まる正
  〒670-0902 姫路市北新在家1-9-12  TEL 079-296-2722
姫路仏壇
 姫路で仏壇が作られるようになったのは江戸時代のことです。姫路地方には仏壇を立派に、そして大切にするという風土があり、これを背景に仏壇制作が盛んになりました。
 姫路仏壇は比較的大型が多く、外観は豪華、絢爛、重厚という特徴があり、これは偉容を誇る姫路城ともイメージが重なります。
指定年月日 平成7年3月24日

●姫路仏壇組合
  〒670-0906 姫路市博労町152(株)せんばはまや内
  電話:079-296-0015
和ろうそく
 その源を江戸時代にまでさかのぼる「和ろうそく」は当初、姫路藩の藩業として製造されていました。指定を受けた松本商店も明治10年(1877年)ごろに姫路城下の製造業者から分家し、その後、大阪の福島で製造を始め、戦後は西宮に移ったものです。
 現在4代目の松本恭和氏を中心に寺院の灯明用や家庭用の絵ろうそく等を製造販売しています。
指定年月日 平成8年(1996年)2月13日

●松本商店
  〒663-8215 西宮市今津水波町11-3  TEL 0798-36-6021  FAX:0798-26-1338
姫路独楽
 幕末から明治初期に興ったとされる姫路の独楽は、昭和初期の段階でも5、6業者が製造に携わっていたのみで当初からさほど製造業者は多くありませんでしたが、販路は玩具問屋を通じて播州一円だけでなく、西日本各地にまで広がっていました。
指定年月日 平成8年2月13日

●村岡正樹
  連絡先 姫路市書写の里 美術工芸館
  〒671-2201 姫路市書写1223番地
  電話:079-267-0301 FAX:079-267-0304
姫路張子玩具
 張子は、ハリボテともいい、和紙を張り重ねて作るもので、室町時代に中国から伝来したと言われています。江戸時代になって反故紙(不要になった和紙)が豊富だった城下町で全国的に張子の人形や玩具が作られるようになり、姫路において興ったのは明治初期と伝えられています。
 創始者は豊岡(豊国屋)直七と言われており、姫路張子玩具の伝統を今に伝える松尾哲氏は、直七から5代目にあたり、伝統産業を守り続けています。
指定年月日 平成8年2月13日

●松尾 哲
  〒679-2153 姫路市香寺町田野1042-21  
  TEL 079-232-7762
  FAX:079-232-7762
王地山焼
 王地山焼の起源は、江戸時代末期の文政元年(1818年)にさかのぼり、当時の篠山藩主・青山忠裕が王地山(篠山市河原町)の地に、京焼の陶工・欽古堂亀祐を招いて始めた藩窯がその発祥といわれています。当時は煎茶趣味の背景のなかで、中国風の青磁、染め付け、赤絵を主とした磁器窯でした。
 築窯時期から、王地山陶器所として名声を博しましたが、藩の廃止とともに明治2年に廃窯となって以来、その伝統が途絶えていました。
 現在の王地山陶器所は、丹波篠山市が昭和63年(1988年)に再興したもので、現在は一般社団法人ウイズささやまにより運営されています。市職員が行っていた技術指導が受け継がれ、当時の技法を現代に再現しています。
指定年月日 平成8年2月13日

●第一般社団法人ウイズささやま(王地山陶器所)
   連絡先 〒669-2325 丹波篠山市河原町431
   電話:0795-52-5888    FAX:0795-52-5888
丹波木綿
 丹波地域では、宝永年間(1704〜1710年)頃に良質の綿が生産され、手織りの木綿が製造されていました。しかし、明治以降、機械化による大量生産が進み、家庭では手織り木綿も作られていたものの、産業としては徐々に衰退していきました。
 戦後に至っては、家庭内においてもほとんど木綿を手織りすることはなくなりましたが、昭和49年(1974年)に丹波篠山市栗柄でそれを惜しむ人々が集まり、昔ながらの製法による綿づくり、糸紡ぎ、草木染め、手織りを復活させて、現在に至っています。
指定年月日 平成8年(1996年)2月13日

●丹波木綿保存会・創作館
  連絡先 〒669-2711 丹波篠山市栗柄(創作館)
  電話 0795-93-0922
三田鈴鹿竹器
 鈴鹿竹器は、良質な竹を求めて訪れた四国讃岐の竹細工職人が技術を伝えたのが起こりといわれ、江戸時代中期より広く名が知られるようになりました。
 当時は農家の副業として民具、農具を中心に製作されていましたが、大正の頃から専業の地場産業として急成長し、大正時代後期に輩出した高田四郎左衛門によってアメリカに市場を開拓してからは、輸出用の花籠や屑籠も製作されるようになりました。
 最盛期の昭和30年ごろには全戸数の約4分の1にあたる15〜16軒が数人の職人を抱えて竹器製作に従事していましたが、昭和30年代後半からビニールやプラスチックの籠の出現に加え安価な中国製品の進出により、次々と廃業していきました。
 現在では、4代目にあたる植田一彦(竹仁斎)のみが伝統を守り続けています。
指定年月日 平成9年3月18日

●鈴鹿竹器組合
  〒669-1417 三田市鈴鹿264  TEL 079-569-0029  
FAX:0795-69-0029
播州鎌
 播州鎌は、明治維新ごろ、一柳藩のお抱え刀鍛冶であった藤原伊助が剃刀の製法を応用して打ち始めたのが起こりで、一名剃刀鎌ともいわれます。切れ味がよく、軽く、研ぎやすいのが好評で、阪神間に近接する地の利もあり、国内他産地が衰退していくなか、発展を続けました。
 現在も小野市を中心として東播磨地域の多くの事業所が生産を行っており、当地での主要な地場産業となっています。
指定年月日 平成9年3月18日

●小野金物商工協同組合連合会
  〒675-1395 小野市王子町800-1  TEL 0794-62-7790  FAX:0794-63-7790
播州山崎藍染織
 宍粟市をはじめ播州地域では古くから藍作りが行われていましたが、江戸時代に阿波徳島藩主蜂須賀家政が播州から藍を移植し、阿波藍が発展するようになりました。山崎町も昭和初期まで紺屋が多数あり、川戸縞と呼ばれる木綿縞をはじめとする藍染織が織られていましたが、その後いったん途絶えました。
 昭和53年(1978年)から正木国枝氏が当地での藍染織復活に取り組み、多年の努力により、現在では着物やテーブルセンター等、本藍による製品作りに成功しています。
指定年月日 平成9年(1997年)3月18日

●正木俊雄  播州山崎藍染織 工房まさき
  〒671-2552 宍粟市山崎町段132  TEL 090ー3621ー1525
淡路鬼瓦
 淡路瓦の起源は、藤原京時代(694〜710年)の窯跡の出土により、約1,300年前といわれています。
 江戸時代初期の慶長18年(1613年)に池田輝政の三男忠雄が領主となって洲本市由良で成山城を新築しました。このとき忠雄は明石から清水理兵衛という瓦職人を招いて瓦を焼かせています。
またこの十数年後、寛永年間(1624〜43年)に西淡町津井地区で法華宗本山尼崎本興寺の貧困救済のために瓦製造を始めています。これが近世の淡路瓦の始まりといわれています。
 一つ一つ手作りの鬼瓦は、装飾的な屋根材としてだけでなく、置物としても大変素晴らしいものです。
指定年月日 平成9年(1997年)3月18日

●(株)タツミ
  〒656-0341 南あわじ市津井976  TEL 0799-38-0309  FAX:0799-38-0025
●(株)ミハラ
  〒669-0341 南あわじ市津井1875  TEL 0799-38-0083  FAX:0799-38-0082
赤穂緞通
 児島なかが、嘉永2年(1849年)に創始した赤穂緞通は、鍋島緞通(佐賀県)、堺緞通(大阪府)と並び日本三緞通と呼ばれており、紋様が非常に際だっていることが大きな特徴であり、明治から大正にかけて隆盛を誇りました。
 昭和期には一旦途絶えましたが、阪口キリヱを講師に迎えた「赤穂緞通織方技法講習会」の1期生、2期生が平成11年に「赤穂緞通を伝承する会」を立ち上げ、個人宅で生産活動を行なう「赤穂緞通生産者の会」と共に技術の保存及び伝承に取り組んでいます。  
指定年月日 平成19年3月30日

●赤穂緞通を伝承する会
  〒678-0239 赤穂市加里屋2073-4  TEL・FAX 0791-45-0606
●赤穂緞通生産者の会
  〒678-0258 赤穂市古浜町119  TEL 0791-45-0025

稲畑人形
 赤井若太郎忠常が、弘化3年(1846年)に創始した稲畑人形は、伏見の流れを汲み、きめが細かく粘り強い良質の土粘土を原料とした素朴で親しみのある土人形です。
 現在は5代目赤井君江が伝統技術を継いでおり、人形製作教室を開催するなどして、技術の保存及び伝承に取り組んでいます。
※画像は「鯛持ちえびす」といいます。七福神の中で、唯一日本生まれの神がこのえびすです。
指定年月日 平成19年(2007年)3月30日

●稲畑人形香陽館
  〒669-3581 丹波市氷上町稲畑876-2  TEL 0795-82-4745

皆田和紙
  皆田和紙は、佐用郡佐用町皆田地区を中心に製造されていた、厚手で破れにくいことが特徴である和紙です。発祥等は定かではありませんが、室町時代の文献に皆田和紙についての記述があり、当時から屏風や障子紙として重宝されていたことがわかっています。昭和43年に生産が途絶えたものの、昭和45年に復活し、再度生産が始まりました。
 現在は、便箋や団扇、行燈など様々な製品が製造されており、佐用町の貴重な伝統産業として地域の人々に親しまれています。
指定年月日 平成27年3月27日

●皆田和紙保存会
〒679-5523 佐用郡佐用町上月373
Tel:0790-86-1616(上月歴史資料館)
姫路白なめし革細工
白なめし革は、戦国時代末期から安土桃山時代にかけては馬具や鎧の材料として使用され、「播磨の白なめし革」として全国に知れ渡っていました。
 その後、江戸時代に参勤交代で江戸に向かう西国諸大名の本陣が置かれた室津(たつの市御津町)で、たばこ入れなど繊細は「細工物」が作られるようになったのが、白なめし革細工の本格的な生産の始まりといわれています。
ただし、現在は製造されていません。
指定年月日 平成5年3月19日
※出典資料:『兵庫県の伝統的工芸品』2022年版より
 (兵庫県産業労働部地域産業立地課から資料等の提供をいただきました。)
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兵庫県の地場産業
(令和6年・2024年版
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