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                |  | 夢灯す、光の彫刻「神戸ルミナリエ」 (地域の活性化、まちづくり・まちおこしへの取組み 8)
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          | 夢灯す、光の彫刻「神戸ルミナリエ」  
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                |  | 1995年1月17日、阪神・淡路地域に甚大な被害をもたらした大震災の多くの犠牲者の鎮魂と追悼、被災者への激励、街の復興のために「神戸ルミナリエ」は、同年から毎年12月に開催されています。 現在では、12月の初中旬12日間(最近2015年からは10日間)、神戸市内の旧居留地の仲町通、東遊園地をメイン会場として、近年では約350万人の来場があります。
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                | ●「神戸ルミナリエ」の初日 (第1回、1995年12月)の情景
 (紀行文エッセイ)
 
 〜2004年の 阪神淡路大震災メモリアル(震災10周年)として、「愛・元気ひょうご」発信事業〜「震災の記憶と旅立ち」文芸作品(俳句・詩・紀行文)入選の紀行文エッセイ〜
 
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                | 『ルミナリエの光の下で』(中嶋邦弘)年末、鎮魂のイルミネーションを阪神・淡路大震災の被災地に灯す光のページェント「神戸ルミナリエ」の初日、点灯を待つ長蛇の列の中で、いつも探し求める姿がある。
 10年前、阪神淡路地域を襲った未曾有の激震は住み慣れた街を壊滅させ、その爪跡の残る被災地は夜になるとビルや家の電灯の数も激減して暗く寂しい街と化した。神戸居留地跡のビルの谷間、不安と期待の交錯する暗闇の中、大勢の人たちと並ぶ私の近くに、手をつなぎ合った3人のお婆ちゃんたちがいた。久しぶりに再会したことで話が弾んでいる。ご近所仲良し組だった3人とも震災で家族を失い、一人ぼっち。それぞれ遠い郊外の仮設住宅や、隣人たちが去って瓦礫しか残らない被災地域で運良く残った自宅にと、散り散りばらばらに別れて住んでいるそうだ。孤独で、生甲斐も無く、あの震災で死んでいたほうがましだったとさえ思われる昨今の生活を訴え合っていた。そこに潮が引くようにざわめきが収まり、ひと時の静寂の間を置いて一斉点灯。
 暗かった通りに煌くばかりの光の世界が現出する。色とりどりに散りばめられた30万個の電灯が放つ光のシャワーが降り注ぐ。3人、輪になって手を取り合い、光を浴びて影絵のようにイルミネーションを見上げるお婆ちゃんたちの顔、顔、顔。頬を伝う止め処ない涙に咽び、 「やっぱり、生きてて良かったあ!」と共に掛け合う声が潤んでゆく。周りの人たちも痺れるような感動にもらい泣き。生き残ってこれたからこそ感じられるルミナリエの暖かく身も心も癒す光は、震災で亡くなった人々の魂を鎮めるだけでなく、生きてここに集まった人々を励まし、生き抜く力も与えた。
 ふと我に返り、今夜もあの時に見たシルエットを求めて視線を巡らせ・・・。見つけた。あのお婆ちゃんたち3人組の元気な姿を。(2004年12月記)
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          | ※他の入選作品は下記のサイトです。「LINK」ボタンをクリックして下さい。 
 
               
                |  | 「1.17は忘れない・ひょうご安全の日公式サイト  1.17メッセージ」 |  | 
         
          | ● テーマと来場者数(年度別) | 
        
       
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                    | 開催年度 | テーマ | 来場者数 (万人)
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                    | 1995 | 夢と光 | 254 |   
                    | 1996 | 讃歌〜輝けるときを求めて | 386 |   
                    | 1997 | 大地の星たちに捧げる | 473 |   
                    | 1998 | 光の星座 | 516 |   
                    | 1999 | “Pure”(ピュア)な光の下で | 516 |   
                    | 2000 | 光の永遠(インフィニティ) | 474 |   
                    | 2001 | 光の願い | 519 |   
                    | 2002 | 光のぬくもり | 464 |   
                    | 2003 | 光の地平線 | 507 |   
                    | 2004 | 神戸、光の都 | 538 |   
                    | 2005  | 光の第二章 | 436 |   
                    | 2006 | 空の魅惑 | 465 |   
                    | 2007 | 光の紀元 | 404 |  | 
                   
                    | 開催年度 | テーマ | 来場者数 (万人)
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                    | 2008 | 光のインフィニート | 376 |   
                    | 2009 | 光の抱擁 | 365 |   
                    | 2010 | 光の心情 | 343 |   
                    | 2011 | 希望の光 | 342 |   
                    | 2012 | 光の絆 | 340 |   
                    | 2013 | 光の記憶 | 354 |   
                    | 2014  | 神戸 夢と光 | 344 |   
                    | 2015 | 心の中の神戸 | 326 |   
                    | 2016 | 光の抒情詩 | 326 |   
                    | 2017 | 未来への眼差し | 340 |   
                    | 2018 | 共に創ろう、新しい幸せの光を | 342 |   
                    | 2019 | 希望の光に導かれて、25年 | 347 |   
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          | ● 多くの篤志、助成金で開催継続 | 
         
          | 「神戸ルミナリエ」は、当初から多くの市民・企業からの篤志、関係機関・行政からの助成金、飲食店収入、オフィシャルグッズに、前年度からの繰越金を財源として、製作・設営・警備等運営など約4.68億円(2015年度)がまかなわれてました(次年度繰越金0.28憶円)。 | 
         
          | ※ 収入支出の比率(2015年度決算) | 
         
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                | 収入・支出 | 収入・支出の項目 | 構成比 | 備考 |   
                | 収入 | 1.協賛金 | 42% | 企業協賛金188社(1件10万円以上) |   
                | 2.補助金 | 28% | 県、市、市団体、宝くじ |   
                | 3.募金等 | 15% | うち個人募金(主に会場)12% |   
                | 4.飲食店舗負担金 | 10% | 飲食出展者32店舗 |   
                | 5.その他収入 | 3% | オフィシャル商品のロイヤリティなど |   
                | 前年度繰越金 | 2% |  |   
                | 支出 | 1.作品制作費 | 25% | 企画・設計・制作、素材、設営・保守・撤去工事含む |   
                | 2.会場設営費 | 8% | 会場の設営・清掃・復旧・撤去、仮設トイレなど |   
                | 3.警備費 | 28% | 警備計画、会場警備の警備員、資機材など |   
                | 4.運営費 | 16%  | 本部・救護所等運営、式など、(電力使用料は1%) |   
                | 5.飲食店舗費 | 9% | 会場内飲食店舗の設営・運営・警備 |   
                | 6.広報費 | 3% | チラシ・ポスター作成・掲載、雑誌掲載など |   
                | 7.収入対策費 | 6% | 協賛金・募金収受、オフィシャル商品関係経費など |   
                | 8.事務局費 | 5% | 事務局、会議、公租公課など |  | 
         
          | ● 開催継続を望む | 
         
          |   阪神淡路大震災の犠牲者の鎮魂の思いでスタートした「神戸ルミナリエ」も年を経て、クリスマス行事的な意味合いで見る向きもあり、最近の経済情勢悪化等による重要な企業協賛金に往年の勢いが無く、警備費等の開催経費がかさむ。継続開催断念の危機を毎年綱渡りの状況に変わりはありません。資金確保のために入場料として1人100円を必ず募金して貰うという案は開催当初からありましたが、震災犠牲者の鎮魂の目的のためにと採択されませんでした。またイタリアのルミナリエをもっと安価に製作できる単なるクリスマス電飾イベントにしなかったのも当然でした。
 それだけに、1999年から東京の丸の内で開かれるようになった単なる冬のイベント、光の祭典「東京ミレナリオ」が人気を集めるのは、地元にとって、震災時から東京との被災意識格差を感じていただけに、被災地の人々にとって割り切れない思いは強く残っています。
 また、クリスマス期日開催による会場整理の事故懸念(特に、明石の歩道橋圧死事件以来)と歳末商戦への配慮から以前より早期に消灯してしまっています。
 忘れてはならない阪神淡路大震災の体験の継承、400万人もの来場者をいかに地元の経済活性化につなげるか等々、開催に伴う種々の問題点は多いが、関係者一同、市民、観光客が「神戸ルミナリエ」の継続開催に向けて、理解・協力をいただけるよう、元実行委員会委員であったことからも、切に望みたい。(2009年6月〜、2019年12月)
 
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                |  | 「神戸ルミナリエ」の公式サイト http://www.kobe-liminarie.jp/
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