鉄道廃線「福知山線廃線敷」を散策する
  (郷土史にかかる談話 75)
 「鉄道廃線敷」特に必見のポイントは、何と言っても「国鉄福知山線」の武田尾〜生瀬間を付け替えた際に廃線となったところが県内随一です。大阪と舞鶴を結ぶ阪鶴鉄道によって1899年(明治32年)に開通、国鉄になった(1907年、明治40年)が単線非電化路線でした。この区間を複線電化されるに伴って路線は付け替えられて廃線となりました(1986年11月)。
 現在では、この廃止された路線は、多くの廃線マニアたち、春の桜や秋の紅葉を楽しむハイカーや家族連れで常時賑わっています。鉄道遺産が多く現存して、楽しめるところです。ただ、廃線であるため、多くの人たちが利用されることを想定されていないため、安全確保は利用者にとって不可欠であることは言うまでもありませんね。
 また、武田尾駅から北へ延びる廃線部分の道場〜武田尾間は、通行が遮断されているところもあり、通り抜けることはできません。一部は工事用に改修された部分もありますが、一般的には無理と思われます。
1.JR福知山線の歴史
(1)開通の歴史
   1891年(M24) 川辺馬車鉄道尼ヶ崎〜伊丹間の開通。
   1893年(M26) 摂津鉄道と改名。
   1897年(M30) 阪鶴鉄道(神崎〜福知山間)が摂津鉄道を買収、池田〜宝塚間を一部開業。
   1899年(M32) 福知山までの全線開業。
   1907年(M40) 鉄道国有法により、官設の福知山線となる。
(2)廃線敷への歴史
   1961年(S36) 阪神間の福知山線複線電化の構想。
   1971年(S46) 福知山線の複線電化の計画がスタート。
   1978年(S53) 工事開始。
   1986年(S61) 生瀬〜道場間の新線付け替えと、生瀬駅・名塩駅・武田尾駅の新改整備。
             旧線は廃線敷となる。
   2016年(H28) 宝塚市に続き、西宮市側の安全対策工事完了。ハイキングコース整備。
2.廃線敷ウォーク路線図(生瀬駅・名塩駅から武田尾駅まで)
3.ウォークのための準備・注意事項
(1)路線コースの特徴と注意事項
  少ない駐車場(鉄道・バスなどで)、廃線敷内トイレ・ゴミ箱なし(駅周辺と廃線敷入口のみ)、 トンネル内照明なし(真っ暗闇、懐中電灯は必須)、生瀬駅前狭い(集合は数名まで)、 駅〜廃線敷の連絡道は狭くて住宅地もある(1人ずつ歩行の箇所も・静かに通行)、 生瀬駅はコンビニ駅前のみ、西宮名塩駅前には阪急オアシスあり、 廃線遺物(みだりに触れない)、武田尾駅は無人駅(ICOCAカードが便利)。
  立入禁止区域に入らない、自転車持ち込み禁止、ランニングやペット同伴はしない、
     ※武田尾駅〜道場駅間の廃線敷は危険箇所多く、事業用部分もあって、立ち入り禁止。
  遊歩道整備はされていない。対岸から窺い見る程度。
     ※ただし、武田尾駅から武田尾温泉郷までは通行可能。
     ※武田尾温泉は営業日注意および宿泊予約利用が基本。足湯は無料。
(2) 準備しておくもの
   水筒(飲物)、帽子、携帯雨具、携帯電話、懐中電灯(帯同型、手持型)、路線図(事前確認)、 救急医療セット、経皮吸収型鎮痛抗炎症剤、食べ物(弁当、菓子、あめ玉など)、手袋、 その他個人的に必要なもの。
(3) ウォーキングの心得
   「安全確保のために自己の責任と判断によって最大限の注意を払う」、 春の桜・秋の紅葉の季節は絶景(混雑する)、悪天候時等危険が想定される場合は止める、 落石・倒木などの危険あり、廃線敷(トンネル内も)は無灯、夜間通行は危険、 火気厳禁(歩き煙草はお止め下さい)、
  多人数(100名以上)の団体通行は迷惑、渓流側鉄柵に寄りかからない、 同伴者(子供など)の動向に注意、営利目的の利用はしない、足元は枕木など突起物や滑りやすい箇所多し、渓流見物は立ち止まって、歩調は平地通りには行かない(躓きの元)、つま先や足を高く挙げて歩く、舗装された平地歩行の3倍ぐらい疲れる、途中休憩は煩瑣に取る、時間が想定よりかかる。
  在住外国人も多く歩いている(隠れた人気スポット)ので交流の機会が持てる。
(2010年11月〜2020年4月)
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(21)鉄道廃線
ノスタルジア

(5)鉄道廃線一覧表
(兵庫県内)
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(72)幻の東播磨鉄道計画、一考察

(76)神戸の市街地を走っていた「国鉄鷹取南専用線」の廃線敷を辿る

(77)国鉄・神戸港臨港線跡を辿る
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