執筆活動
 自著紹介『香港駐在生活・こぼれた話こぼれなかった話』

自著紹介『香港駐在生活・こぼれた話こぼれなかった話』(中嶋邦弘)

2002.2.1、神戸新聞総合出版センター発行
●出版社「担当編集者より一言」

 “「海外に住む」ということは、「海外に旅行する」というのとは全く違う。たとえ何十回と観光で行ったことのある地でも、いざ住むとなるとまさに世界が変ることになる。比較的駐在し易い地と言われていた香港でさえも、駐在していた期間は私達家族にとって稀有な出来事に遭遇していた人生の一大エポックであった。”・・・・・兵庫県香港事務所長として突然はじまった家族共々の海外赴任生活。
 学齢期をむかえた子供たちの学校問題、駐在員夫人としての妻のとまどい、香港日本人倶楽部での活躍など、駐在生活の日々を軽妙なタッチで綴りながらも、さまざまな体験を通して深まる家族のきずなが行間から読み取れます。(O)
●本書「はじめに」より

 「海外へ出かけて行く。」これだけでも一昔前では水盃ものであった。それが現在では年間1,600万人余り(1999年)の日本人が海外に出国している。しかも、約80万人(1999年)の日本人が海外で永住もしくは長期滞在している。おまけに3ヶ月以上その国に滞在する場合は、日本の在外公館に提出しなければならない在留届を出さずに居る者もいたりして、実数は80万以上の日本人が海外で生活していると推測される。

特に、約20年前あたりから経済成長に併せて日本企業の海外進出が加速され、それまで外国語に堪能な一部の人達だけの話であった海外出張いや海外駐在の機会までもが誰の上に降りかかってきてもおかしくないような情勢になってきた。実際、近隣の住人の中でも単身もしくは家族一家で海外へ行かれたところも散見される。まして近頃では、定年退職後のいわゆるシルバー・ライフを海外に求める動きも顕著になってきた。
(左写真:ヴィクトリア湾上から望む香港のビジネス街、セントラルとアドミラルティ地区の高層ビルが建ち並ぶ)
 「海外に住む。」ということは、「海外に旅行する。」というのとは全く違う。例え何10回と観光で行ったことのある地でも、いざ住むとなると正に世界が変わることになる。
 日本経済が急激な成長期、今にして言えばバブル絶頂期への道にあった1988年(昭和63年)、私達一家もご近所の例に漏れず、香港において海外駐在生活を送ることになった。その間の仕事の話は別として、家族揃って初めての海外生活に戸惑いながら、生活の各所各場面で起きた出来事、苦労したこと、楽しかったこと、全て日本で生活していただけでは体験できなかったことばかりであり、世界を日本を香港を急激に変える出来事が連続するなか、3年間無事に勤め上げることができたのは数々の幸運に恵まれたことにほかならない。(右写真:日本コミュニティ挙げての香港社会へ大きな貢献と評価されたチャリティ・コンサート。指揮は曾氏。ソロの右端ソプラノは、妻)
 比較的駐在し易い地と言われていた香港でさえも、駐在していた期間は私達家族にとって稀有な出来事に遭遇していた人生の一大エポックであった。
 その場面場面を思い起こし、備忘の形に残しておくように思い立ったのは、帰国して1年半ほど経ったある日、地元のマスコミの取材を受けたことが契機となった。予定のインタビュー時間を遥かに超えて長時間の会談であったが、記者の聞き上手にリードされて久しぶりに色々喋る機会を得て、その気になったことによる。なお文中、中国語の読み仮名は、地元香港周辺の広東語には「平仮名」を、普通語としての北京語には「片仮名」を付けた。
(左写真:香港名物の看板の群。100メートルの道路上に100個はある)
  海外に行っている日本人達はどんな経験をしているのか興味のある方々に、また急に海外に住むことにならないとも限らない方々、行く行くは海外で老後の生活をと考えておられる方々にとって、私達の経験談が少しでもお役に立てることになれば無常の喜びである。


(右写真:点心を蒸篭でテーブルの間を売り歩く香港名物“飲茶”)

●本書「目次」より

1.えらいとこ「香港」
   @着いたぞ、香港
   A香港へ行かんか
   B香港の街
2. 駐在生活始まる
   @何時まで続く手続き
   A駐在員夫人第一歩
3.何語で話すか
   @飛び交う4ヶ国語 
   A英語
   B北京語
   C広東語
4.中国、初次見面
   @いざ、中国へ
   A広州市街ぶらり歩き
5.大所帯の日本人学校とスクールバス
   @香港日本人学校
   Aスクールバスの苦労
6.生活のノウハウ
   @手軽なミニバス
   Aタクシー争奪戦
   B香港は鍵社会
   C頼れるホームドクター
   D阿媽(あまー)さん
   Eシグナル8(エイト)、それ帰れ
   F香港は電話社会
   Gあこがれのボーンチャイナ
   H湿気、カビ対策
   I学習塾と海外からの受験
7.ささやかな娯楽
   @ちょっと割高、日本の書籍
   A日本語番組のレンタル・ビデオ
   B香港競馬の馬券
   C一攫千金、マークシックス
   D強い通貨へ、外為貯金
   E本格派ゴルフ
   F駐在員のメジャースポーツ、テニス
   G極楽、クラシック演奏会
8.中国料理あれこれ
   @香港は中国料理の展示場
   A飲茶の本場
9.夏休みの宿題・紀行文
   @家族で出かける海外旅行の勧め
   Aオーストラリア紀行
   Bシンガポール・マレーシア紀行
10.娘の骨折
11.香港からご挨拶
12.コミュニティ村、香港日本人倶楽部
13.タカラジェンヌとデート
14.来客の交通事故
15.香港の歳時記
   @春節
   Aバレンタインデー
   B中秋節
   Cハロウィン
   Dクリスマス
16.上を向いて歩こう
17.お気の毒な家族
18.音楽で頑張る
   @香港日本人倶楽部の合唱
   A香港との合同チャリティ・コンサート
   B香港での演奏活動
19.ショッピング事情
   @店、店、店
   A商都を闊歩する日本人観光客たち
   B小売流通業界をリードした日系百貨店
20.香港で美しき古き中国にふれる
21.日本人観光客にアドバイス
22.名句名言ゆかりの地
23.鑑真和上の来日に命をかけた留学僧「榮叡大師」ここに眠る
24.飛行機であわや事故死
   @シンガポールで搭乗機炎上
   Aこの飛行機、大丈夫かなあ
   Bよくあるトラブル集
25.すり、置引きに注意
   @あっという間の置引き
   A見事なテクニックのすり
   B高等戦術
26.昭和天皇崩御
27.天安門事件、その時香港は
   @香港の一番長い日
   A天安門事件余談
28.日本人殺害予告
29.肝炎、恐い
30.上海ノスタルジア
   @上海を訪ねて
   A黄昏の共同租界
   B上海の思い出
31.チャールズ皇太子、ダイアナ妃来る
32.九龍城砦探検
33.素晴らしいテニス仲間達
34.走馬灯
※ 私たち一家4人が、1988年4月から1991年3月まで3年間、香港に駐在していた時の経験談を2002年2月にまとめ発刊したものです。
※主な掲載エピソード(写真をクリックして下さい)

(7)鑑真和上の来日に命をかけた“栄叡大師”ここに眠る(中国)

(10)中国名句名言ゆかりの地

(15)中国料理あれこれ
(香港)

(16)香港では、上を向いて歩こう

(17)九龍城砦探検
(香港1990年)

(18)チャールズ皇太子・ダイアナ妃来る
(香港1990年)

(19)香港の歳時記

(21)すり・置引きにご注意を!
(海外トラブル)

 (22)この飛行機、大丈夫? 飛行機トラブル集
(海外トラブル

(6)搭乗機炎上であわや事故死
(シンガポール)

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